第5回
バニラリゾートちゅら

（埼玉県三芳町）

沖縄と聞いただけで、リゾート感や癒しをイメージするが、「バニラリゾートちゅら」は沖縄がテーマの希有なレジャーホテルだ。駐車場からロビーへ向かうと琉球民謡が流れ、まさに沖縄の雰囲気に引き込まれる。ロビーも沖縄がテーマで、泡盛バーまである。オープンフロントの横には売店まで設置。

さまざまなタイプの客室を備えるが、特にオープンエアスペースのある客室は陽光差し込む中に、琉球民謡が流れ、気分はもはや沖縄のリゾートホテルだ。スイートルームにはクィーンサイズベッドを2台設置。4名での利用も可能。レジャーホテル＝1台の大型ベッドという固定概念を打ち破る。ジャグジーに岩盤浴、ミニキッチンなど高級コンドミニアムを彷彿とさせる。

ここまでくると、当たり前だがルームサービスには沖縄メニューが。一般的なメニューも豊富だが、本格的な沖縄料理から泡盛まで並ぶラインナップは圧巻。島とうがらしもリクエストできる。

豊富なメニューを揃えても、ホテルによっては食事をするソファ＆テーブルに残念なケースが見受けられる。見た目豪華でも座ると軋んだり、二人では窮屈なサイズのソファや、料理の置けないサイズのテーブルなども見かける。食事をする際、ソファとテーブルのバランスは重要。テーブルは少し高めが良い。その点、バニラリゾートちゅらのソファ＆テーブルのバランスは秀逸だ。

見た目は豪華な客室でも、“豪華に作っただけで止まっている施設”が多いことも、筆者がレジャーホテルで感じることだ。テーマ性を打ち出すのは意外にたやすい。しかし、外観やインテリアだけではなく、実を伴ったレジャーホテルには、滞在を楽しむリピーターが増えていくことだろう。


バニラリゾートちゅら
埼玉県入間郡三芳町北永井583-2
http://vanilla-resort.jp/resort/chura/
049-259-5838
休憩4910円～ 宿泊7230円～（税抜）

ホテル評論家　瀧澤 信秋氏
日本で数少ない宿泊者・利用者目線のホテル評論家として、テレビやラジオへの出演、雑誌・新聞連載など、多方面で活躍。著書に「365日365ホテル 上」（マガジンハウス）、「ホテルに騙されるな！ プロが教える絶対失敗しない選び方」（光文社新書）など
http://www.takizawa-nobuaki.net/hotel/