第15回

（群馬県高崎市）

スラグジュアリーとリゾート感が
大人時間を演出する「ザ・クオリティホテル」

視覚へ訴える重要性をラグジュアリー・リゾートホテルは教えてくれるが、レジャーホテルにも、ワールドワイドなブランドを彷彿とさせるホテルが出現している。「現代楽園」ブランドはまさにそのようなホテルで、同ブランドのフラッグシップホテルである「現代楽園 高崎店」は象徴的な施設だ。

外観、エントランスから客室までのアプローチに一貫して余計な装飾を施さない。シンプルであればあるほど質感は露わになるだけに、実を伴ったホテルクオリティが担保されていることが確信できる。客室全体のコンセプトも印象的だ。食事、ベッドタイムをはじめ、利用シーンに応じて使い分けを想定。根底には徹底したリラクセーションへの追求がある。

レジャーホテルといえば、豊富な備品やアメニティが特徴だが、一方、“ただ置けばいい”というスタンスの施設もみられる。どのようなシーンで備品や設備が利用されるのかといった想像力は重要だ。女性目線の追求が求められる部分であるが、ディスプレイをはじめ、配置などさまざまなシーンで女性目線を感じる。女性目線とは優しさ溢れる心配りと改めて感じる。

都市部に密集したエリアの施設と比して、郊外には贅沢な客室面積が可能という施設もある。好条件とはいえ、否だからこそ、多様な設備を導入する際にはどこまで必要なのかという折り合いの付け方も課題になるだろう。かような“詰め込み主義”は、業態にかかわらずホテル共通でみられる“ひとつの現象”だ。

「現代楽園 高崎店」は、あれこもれという欲張りな発想とは無縁の空間が広がる。にもかかわらず、実際にステイすると、必要なモノが過不足なく採用されているのには感心させられる。レジャーホテルにして、高いホスピタリティマインド＝ヒューマンの高い可能性を感じるザ・クオリティホテルだ。　
　良質なハードはシンプルさで輝きを増し、ラグジュアリーな大人時間を演出する。


現代楽園 高崎店
群馬県高崎市京目町460
TEL.027-352-5199

ホテル評論家　瀧澤 信秋氏
日本で数少ない宿泊者・利用者目線のホテル評論家として、テレビやラジオへの出演、雑誌・新聞連載など、多方面で活躍。著書に「365日365ホテル 上」（マガジンハウス）、「ホテルに騙されるな！ プロが教える絶対失敗しない選び方」（光文社新書）など
http://www.takizawa-nobuaki.net/hotel/