第16回

（横浜市 中区）

観光地のレジャーホテルにみる可能性

横浜といえば全国区の知名度を誇る人気観光都市。広い都市だが“港ヨコハマ”のイメージでいえば、中区や西区の一部とエリアは限られる。みなとみらい地区を代表する近未来エリアから、山下公園や元町、山手といった港、否、日本の近代史と歩を共にしてきたスポットは外せない。なかでも日本最大のチャイナタウンである“中華街”は圧倒的な存在感を誇る。

中華街も含む山下町地区は、日々多くの観光客が押し寄せるエリア。シティホテルからビジネスホテルはもちろんのこと、レジャーホテルも点在する。ホテルセレクトには注目の場所といえる。レジャーホテルでいえば、山下公園や元町、関内方面にも点在するが、JR石川町駅北口は密集スポットとして知られる。

なかでもデラックスな外観で目を引くのが「横浜 カサデフランシア」。駅から至近、尚且つ中華街から徒歩圏ということもあり、カップルユースはもちろんのこと、訪日外国人観光客といった観光ユースも多いという。このエリアには4号ホテルはもちろんあるが、同ホテルは新法ホテルということで、ルームキーの点も含め観光ユースにも使い勝手が良いことは想像に難くない。

エントランスには大きなディスプレスボードに盛られたキャンディが。レジャーホテル街ということで、さもすれば直情的なイメージでドアをくぐるゲストにもホッとする嬉しいサービスだ。その他、選べるシャンプーはもちろんのことアイスクリームサービスまで。女子会ユースも多いというのも頷ける。ロビースペースはレジャーホテルにとってまさにコンセプトを打ち出す場であることを改めて感じる。

最近ではビジネスホテルなどでも見られる“選べる枕”であるが、カサデフランシアでもセットされていた。宿泊業の本分が快適な睡眠の提供であるとするならば、休憩利用も代表的な利用区分であるレジャーホテルとはいえ、宿泊はもちろん休憩でもベッドの重要性は変わらない。選べる枕はもとより、クオリティ感の高いベッドも含め、旅人の翼を休めるレジャーホテルといったイメージを打ち出す。

レジャーホテルといえばルームサービスも要であるが、中華街で食事を楽しむゲストも多いというのもホテルの特色。人気観光地に立地するレジャーホテルの可能性を改めて感じるホテルだ。

横浜 カサデフランシア
横浜市中区松影町1丁目3-11
TEL.045-664-5361

ホテル評論家　瀧澤 信秋氏
日本で数少ない宿泊者・利用者目線のホテル評論家として、テレビやラジオへの出演、雑誌・新聞連載など、多方面で活躍。著書に「365日365ホテル 上」（マガジンハウス）、「ホテルに騙されるな！ プロが教える絶対失敗しない選び方」（光文社新書）など
http://www.takizawa-nobuaki.net/hotel/