「季刊レジャーホテル」通信⑥
2020.09.30 発信
第2弾緊急アンケート、8月前年比91.9%と堅調も
「アフターコロナ」を見据えた新たな戦略が求められる
本誌編集部は、現行の「コロナ禍」に対する6月以降の経営・運営状況について、第二弾の緊急アンケート(9月7日~14日)を実施。37社(476ホテル・1万1,803室)に回答をいただいた。
コロナ禍の2020年度(20年4月~21年3月)売上予測の内訳では、36社の回答で、22社が「減収減益」と回答(図表1)。平均数値は「対前年比92%」となった。
一方、月別の売上状況(対前年実績)は、6月91.6%、7月97%、8月91.9%、9月(予測)94.4%と、「コロナ禍」のなかで9割台の数値を維持している(図表2)。
都心部や繁華街立地のホテルでは、より厳しい数値が報告されているものの、他の宿泊業態が壊滅的ともいえる大きな打撃(一般ホテルの8月稼動率31.2%。STR調べ)を受けるなか、「レジャーホテル業態だけは安定」といった見方もできる。
その要因としては、
- 緊急事態宣言が発出され「外出自粛」「県外移動自粛」が要請されたなか、営業自粛要請がされないプライベート空間のレジャーホテルが再評価された。
- 対面接客を最低限に抑え、他の利用客と接触することなくフロントからルームへ入室できるレジャーホテルが「3密」の危険性の少ない業態として認知された
- 映画やカラオケなど、各種レジャー・飲食施設が営業を自粛したため、多くのカップル客がレジャーホテルに流れた(ラブユース以外のアミューズメントの利用)
があげられ、さらに「ラブユース」の手堅さということも指摘できる。
ただ、その一方で、コロナ終息後のマーケットとして、
- 「コロナ不況」によるレジャー消費の低迷
- インバウンドおよびビジネス需要の縮減による他の宿泊業態との競合激化
の2点が懸念材料として指摘できる。
今後のレジャーホテルの成長戦略としては、既存のカップル客の囲い込みに加え、
- 若い頃にレジャーホテルを利用し、その後、利用しなくなったカップル客
- これまでレジャーホテルを利用したことのないカップル客
など新規客層の開拓・獲得が最重要課題になる。
従来の“ラブホテル”のマイナスイメージを払拭する、レジャーホテルとしての新たな魅力空間の創出と、その効果的なアピールが求められている。
〈バックナンバー〉
▶︎「季刊レジャーホテル」通信⑥
▶︎「季刊レジャーホテル」通信⑤
▶︎「季刊レジャーホテル」通信④
▶︎「季刊レジャーホテル」通信③
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▶︎「季刊レジャーホテル」通信①