連載 ②
女性の妄想は無限大
いつもとちがう私になりたい
作家・コラムニスト 神田つばき
■女性500人に好きなお部屋をアンケート
女性はどのようなレジャーホテルを好むのか知りたくて、ツイッターでアンケートしてみました。
「レジャーホテルに行ったことのある女性、行ってみたいと思っている女性におたずねします。あなたが今いちばん行きたいのは、どんな内装のお部屋でしょうか?」
用意した4つの選択肢に、3日間で500票近い回答がありました。
結果をみると、
1位 バリなどのリゾートホテル風の部屋…… 33.8%
2位 昭和のラブホのようなレトロ可愛い部屋…… 28.5%
3位 北欧モダンのシンプルな部屋…… 22.5%
4位 スタイリッシュでアーバンな部屋… …15.3%
アンケートの初日は「スタイリッシュでアーバンな部屋」がダントツトップでした。レジャーホテルをよく利用する人たちが、実際に選んでいるゴージャスな部屋に投票したのかもしれません。
次に票を伸ばしてきたのが、「リゾートホテル風の部屋」です。20~30代の女性から「スパサロンみたいで入るときに恥ずかしくない」「女子会にも使ってみたい」という声がありました。
■消えゆく昭和ラブホを夢みる女性も
ラブホという枠組みから少し離れて、女性が好むインテリアとして「昭和」と「北欧」のテイストも選択肢に入れてみました。
カーペット敷の部屋に現代のものより小ぶりな白いドレッサー、畳の部屋に姿見、回転ベッド、鏡張りの天井、コンパクトな和洋折衷の部屋、ボンボンの玉すだれ、愛らしい卓上スタンド……。
30~50代の女性は、そうした昔のインテリアを「可愛い!」と言います。
自宅を文化住宅のようにコーデしている女性もいますし、マキエマキさんという写真家は、昭和建築の旅館でセクシーな自撮り作品を撮影しています。昭和のラブホが取り壊されるたびに、残念がっている女性のレトロファンは少なくありません。
こんなホテルがあったら、という個別メッセージも寄せられました。
「最中は現実から目をそむけてお姫様になれる空間がいい」という人、「遊園地、動物園、日本庭園、ヨーロピアン、日本家屋、学校の保健室、電車、工事現場」とアイデアを寄せてくれた人、女性の性の夢はまさに多様です。
■インテリアで変化する女性の心理面
女子に人気のカフェやリノベマンションで見かける北欧モダンの部屋は、レジャーホテルにはあまりなさそうです。明るいナチュラルインテリアの部屋でエッチしたい女性がいるのか疑問でしたが、ラブホらしいアーバンな部屋よりも票を集めたのは驚きでした。
フェミニストの視点から、「女性の意に反した行為が行なわれたことがあるかも、と思ってしまうとつらい、デザインが開放的な空間だと素敵」という意見もありました。密室感のある部屋に緊張してしまい、苦手に感じている女性は結構いるような気がします。
開放的な空間という意味では、「白くて清潔なビジネスっぽい部屋」がいいという人もいました。
ラブホイメージとは別の、女性がリラックスできる部屋がふえれば、これまでレジャーホテルを利用してこなかった人たちも“行ってみたい”と思うのではないでしょうか。
個人的には、現実にはできないこと――たとえばカーセックスを体験できる部屋があったら利用します。部屋の中にオープンカーのアメ車があって、照明はサンセットみたいな調光で、『ホテル・カリフォルニア』を流しながらシートで愛し合うなんて素敵です!
その部屋に行くときは、ちょっとレトロなミニワンピースにサンダル、髪を大きくカールして、セックスにも大胆な女性になれそうです。いつもとちがう自分になって、日常生活ではできない夢のエッチを疑似体験したい――レジャーホテルで、いろいろな女性の変身願望がかなえられますように!
神田つばき プロフィール
離婚と子宮ガンをきっかけに、女性に生まれたことの愉しみを求めて緊縛写真のモデルとライターに。『東京女子エロ画祭』『大人の性教育勉強会』などのイベント主宰も。女性の健康とWLB推進員(NPO法人女性の健康とメノポーズ協会)、中級シニアライフカウンセラー(一般社団法人シニアライフサポート協会)として性の健康のために活動している。Twitter IDは@tsubakist