JVの設立は、両社の成長戦略を加速させるためものだ。まずGSは、国内で年間2,000〜3,000億円の不動産投資を実行中だが、うち賃貸住宅は100〜200億円規模にとどまる。投資拡大を阻むのは、賃貸住宅の1棟単位の小ささ。投資効率の面からバルクセール以外の取得機会が限られていた。「住宅開発・再生・運営の知見と専門人材を抱える双日グループとのタッグで、1棟単位からの取得検討、価値向上への取組みが可能になる」(アセット・マネジメント部門 マネージング・ディレクター 木下満氏)。
一方の双日は、子会社の双日新都市開発(SNUD)を通じて、2015年より賃貸住宅投資、開発事業を開始、累計の投資額は15棟、約300億円に達する。しかし自己勘定投資のため事業規模の拡大には限界があった。「世界屈指の資金力と投資家ネットワークを誇り、不動産マーケットにも存在感のあるGSとの協業は話題性抜群。案件獲得スピードも一挙に拡大できる」(SNUD 代表取締役社長 水池祐氏)。