地域金融機関や事業会社から、中央の金融機関や年金基金へと投資家層を広げ、地主リートはこれから本格的なポートフォリオの拡大を見据える。「投資家からは底地一本というシンプルかつ分かりやすい商品設計と、安定した分配金利回りを高く評価してもらっている。大手の年金基金からの問い合わせも増えてきた。中期的に、AUMはいまの倍の3,000億円規模を射程圏内に入れる」(西羅氏)。外部成長にあたってはスポンサーの地主株式会社による潤沢なパイプラインのもと、これまでと同様に三大都市圏を主体に投資していく。
新たな取得機会にも目を向ける。コロナ禍で苦境に陥った企業には、財務体質改善のため資金調達の一手段として底地の売却によるオフバランスを促していく構え。パチンコ店や、住宅地に近接する飲食店など、時代の流れで使われなくなった施設の底地商品化も図る。テナントの業種・業態については、スーパーやドラッグストアなどの小売関連にとどまらず、既存のオフィスビルや工場・倉庫・物流といった事業所の底地なども幅広く検討していく。
「底地は安定投資先として大幅にマーケットが拡大しており、10年後には底地累計取引金額15兆円を超えるとの試算もあるなど、まだまだ拡大の余地が十分にある。今後も底地マーケットのフロントランナーとして市場の拡大に貢献していく。長期的にはAUM5,000億円規模を視野に入れたい」と西羅氏は抱負を話している。