マスターリース契約への対応について可能か否かを尋ねると、事業タイプ別では住居中心型だけが「可」の比率が前年に対して増加した。大きな変動はないものの、賃料の値下げ気運にあるなか、マスターリース契約はできれば避けたいというのが本音なのだろう。
タイプ別にみたフィー体系の採用実態では、総合型は「定額」と「定率」を採用する企業がそれぞれ84.4%と75.6%もあるのに対し、オフィス中心型は全体的にバランスの取れたフィー体系をとっている。住居中心型は「定率」の傾向が強く、72.7%も採用されている。そして商業中心型の場合は「定額」が84%、「定額+インセンティブ」が56%と定額志向がうかがえる。
PM会社の事業面、業務面での関心事項についても尋ねている。事業面では、前年との大きな差異はないが、「人材」が2ポイント増加しており、人材確保に関する不安が垣間見える。業務面では、「リーシング」が前年比で5ポイント上回っている。コロナ禍のなかで退去が発生した場合の後継テナント探しは厳しいものがあり、大きな不安材料となっていることの証といえるだろう。