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札幌

地方主要10都市の不動産市況

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ブレイク目前、地元企業「最注目」エリアマップ

売買物件の利回りが前年比0.5%低下|住宅

――松元伸弥氏(タカラ 代表取締役社長)/藤井和志氏(タカラ 常務取締役)

賃貸市況に関しては、低中価格帯の物件が好調を維持しています。当社が管理する賃貸住宅の平均稼働率は96%台。中価格帯物件の賃料は単身者向け(1LDK・35〜40 u)で月額7、8万円(坪6,500円)の水準です(2022年4月時点)。ただし、繁華街の飲食業関連従事者をターゲットとする中高価格帯物件は、退去件数こそ昨年より減ったものの、リテナントに苦戦しています。この先の市況見通しは、昨今の物価上昇が不安材料。さらに所得減少が重複すると、入居者が低い賃料の住宅へ流れ、相場下落につながるおそれがあります。
売買取引は、個人富裕層および一般法人が中心。2、3億円程度の物件がNOI利回り4.5〜5%、前年より0.5%低い水準で取引されています。ファンド勢の投資意欲は健在ですが、投資基準に見合う規模の物件はほぼ流通していません。
[注目エリア]札幌駅東
札幌駅東側は、2030年度に延伸する北海道新幹線の駅舎が設置され、大きな発展が期待されます。隣の苗穂駅に至るエリアでは現在、分譲/賃貸マンションの開発・供給が活発化、再開発計画も存在します。

コールセンター中心に活発な賃貸市況|オフィス

――堂守貴志氏(エムエムエスマンションマネージメントサービス 代表取締役社長)
  /後藤慎吾氏(エムエムエスマンションマネージメントサービス マネージメント本部 業務三部 部長)

札幌駅南口の当社保有ビルはレンタルオフィスなどでほぼ満室稼働、月坪1.5〜1.6万円(共益費込)の賃料水準です。また市電西4丁目駅前の保有ビルはコールセンターなどで満室稼働、テナントの増床・移転ニーズが強く、新規契約時の賃料アップを十分に望めそうな状況です。ちなみに引き合いの強い業種はIT系企業(35〜50坪)やコールセンター(100坪以上)です。
売買では、今年の大雪による被害を契機に、より天候に左右されない駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)や地下鉄沿いの物件が注目されると考えられます。しかしながら実際は、オフィスも住宅も売り物件がないのが現状です。その一方で、不動産M&Aの取引が多くなってきているとの話が聞かれます。
[注目エリア]札幌駅南
市内のなかで一番の好立地ですが、築古物件やチ・カ・ホと直結していない物件が多く、立地ポテンシャルが十分発揮できていないエリアと言えます。三菱地所の「北海道ビル」や第一生命保険の「札幌第一生命ビルディング」建て替えなどを機に、北海道新幹線開業や札幌五輪開催(招致活動中)までにエリアの刷新が大きく進むことを期待します。
本誌では、札幌含め全国主要10都市の地場プレーヤーに取材を敢行している。札幌では、タカラ、エムエムエスマンションマネージメントサービスのほか2社(アルファコート、常口アトム)にコメントをいただいている。
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