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テクノロジー化による清掃業務の見直し効果

ウイルスに効く清掃ロボ|ソフトバンクロボティクス

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写真:清掃ロボ「Whiz」本体(ソフトバンクロボティクス提供)   

デべ・PMの引き合いが増加

ソフトバンクロボティクスは、人型ロボット「Pepper(ペッパー)」に代表されるロボットの開発・販売を手がける、ソフトバンクグループの企業である。同社が2019年から提供しているのが、AI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」だ。オフィスや商業施設、ホテル、病院など幅広い施設で累計1万台の出荷実績がある。
清掃業界は、経験と勘に基づく画一的な業務内容が長らく堅持され、しかも深刻な人手不足状態が続いてきた。さらにコロナ禍により、清掃の品質が厳しく問われるなか、清掃員の感染リスクにも注意を払う必要性が生じている。こうした状況を踏まえれば、テクノロジー化による清掃業務の見直しは喫緊の課題といえよう。
「施設の安心・安全は、これまで以上に不動産の価値を左右する要素となった。そのことを証明するかのように、デベロッパーやPM会社からの引き合いが増えている。今後は不動産事業者からテナントへWhizを貸し出すサービスがあってもよい」と、常務執行役員 Chief Business Officerの吉田健一氏は話す。

スペックとユーザビリティ両立、導入ハードル引き下げにも配慮

Whizの特色は「清掃能力の高さ」と「使用方法の簡単さ」の2つに分けられる。まず「清掃能力の高さ」は、人が清掃した場合と比べて、床に付着する菌量は2分の1に、空間浮遊菌量は5分の1にまで削減できるという。米国疾病予防管理センターが中国・武漢の病院で実施した調査では、コロナウイルスは床に多く付着し、人の靴を介して各所に拡散する[図表]。つまり床の段階でどれだけウイルスを除去できるかが重要なのだ。
   

図表 PCR検査検体あたりコロナウイルス数

出所:Aerosol and Surface Distribution of Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 in Hospital Wards, Wuhan, China, 2020 https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/26/7/20-0885_article
つぎに「使用方法の簡単さ」は、初回使用時に清掃員が手押しで清掃ルートを設定すれば、2回目以降はボタン操作だけで同じルートを自動清掃する。「むずかしいプログラミング作業は発生しない。Pepperを企画・設計したときと同様に、ユーザーにとっての使いやすさには人一倍気を配っている」(吉田氏)。
稼働時間は最大3時間で、最大1,500uの範囲を清掃可能。複数のセンサーで走行ルート上の障害物や人を検知し、状況に応じた回避や一時停止ができる。料金は月額4万円の定額プラン(フィルターなど消耗品の交換費を含む)など、代理店により複数プランを用意する。また最長2か月の無償トライアル期間を設けており、ユーザーはWhizの効果を実感したうえで本導入できる。「シンプルな料金体系と無償トライアル期間で、導入ハードルを低く抑えた。本導入後の解約はほとんどない」(吉田氏)。

薬剤消毒とのセットでウイルス減少に追加効果

ソフトバンクロボティクスでは、さらなる使い勝手の向上を目指してWhizのアップグレードを続けている。オプションサービスとして、床面清掃と合わせて壁やドアノブなどに薬剤を噴霧する「除菌ソリューション」を開始した。コロナ軽症患者受け入れ施設の「ホテルシーサイド江戸川」(東京都江戸川区)における実証実験では、床面清掃と薬剤消毒により、ウイルスがPCR検査で検出されないレベルまで削減された。今後は濡れた床でも使用できるモップ掛けの機種を開発するほか、夜間など決められた時間に自動で稼働するタイマー機能も追加していく。
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