投資法人の現在の運用状況と、今後の投資運用戦略をアセットタイプ別にみていきたい。まずオフィスビルは、4月末時点の稼働率が99.3%と影響は少ない。ただしコロナ禍によりテナント側のテレワークが増え、具体的な契約交渉が進んでいないケースも多いという。また、「中長期的にはテレワークの普及や、BCP(事業継続計画)を重視する傾向により、これまでの“集約”の流れが逆回転、都心の拠点オフィスからその周辺部や地方への“分散”ニーズが高まるとみている」(菅沼氏)。投資法人は、今年3月に取得した「広島鯉城通りビル」(広島市中区)をはじめ、「品川シーサイドパークタワー」(東京都品川区)、「川崎テックセンター」(川崎市幸区)、「MIテラス名古屋伏見」(名古屋市中区)など、地方所在の物件や、都心周辺部のビルへ集中投資している。拠点分散の流れは追い風になると予想され、今後も同様の投資方針を継続するという。