不動産ファンドAM事業者総覧

不動産ファンドAM事業者総覧

高頻度の増資で着々成長
農中×リース会社でシナジー

さらなる成長ポテンシル秘める

 
農中JAML投資顧問は、農林中央金庫(農中)とJA三井リース(JAML)の出資により2021年に設立。翌22年9月から私募REIT「農中JAMLリート」を運用している。農中の資産運用ビジネス強化方針のもと「債券、株式、クレジット、オルタナ資産などを扱うグループ会社と連携、投資家の多様な運用ニーズに応えている」(代表取締役社長の山下和典氏)。投資家層はJA系統組織を含む中央・地域金融機関や年金基金、事業法人と幅広い。
 
運用資産残高は550億円(2024年2月時点)。運用開始後1年半で計4回の増資を実行し、運用資産残高は着実に成長。年内の700億円到達を目論む。
 
外部成長の背景には、機関投資家・コマーシャルバンクとしての農中と、総合リース・デベロッパーとしてのJAMLの強力なサポートがあり、多様なパートナーとのネットワーク、ファイナンスや不動産開発の機能をフル活用している。現在の組み入れ物件とウェアハウジング中の物件を含めた資産規模は1,200億円におよび、なかにはJAMLグループが大規模修繕を実施し性能向上を図る物件も含まれる。ソーシングでは、スポンサーの顧客ネットワークを活かしたCRE提案によるユニークな投資機会の探索にも注力する。

 
 
 

  
 

私募フンドへの取り組みも

 
AM会社としては、2024年から私募ファンドにも取り組む予定。大型の物件や設備の減価償却が大きい物件(冷凍冷蔵倉庫、データセンターなど)といった、私募REITではアプローチしづらいものをカバーする。
今後の注力アセットとして、スポンサーならではの“ 食農”をテーマした投資にも強い関心があり、「第一次産業振興や地方創生に寄与する試みは投資家からも期待されている」(投資運用部長の植松雅博氏)とのこと。
「中長期的には運用資産残高1兆円を目指す」と山下氏は意気込みを示している。


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