3種の投資商品を取り揃え
取得戦略に商社系の強み光る
住商リアルティ・マネジメント(SRM)は、住友商事をスポンサーとする不動産AM会社。総運用資産残高は7,262億円(2024年1月時点)で、直近1年で220億円を積み増している。運用する商品はJ-REIT「SOSiLA物流リート(SLR)」、私募REIT「SCリアルティプライベート(SCRP)」、私募ファンドの3本柱。SLRについては、2019年12月の上場から4年間で資産規模が約1.9倍に拡大(765億円→1,425億円)し、1口当たりの分配金やNAVも順調に成長している。
J-REIT市場は昨年来、金利上昇への警戒から停滞しているが、取締役常務執行役員上場リート事業部長の松本展彦氏は「株の先高観が落ち着けばREITにも投資家の目が向くようになるのでは」と先行きに自信をみせる。ちなみにSLRは長期固定金利での借入が主体であり、25年末までリファイナンスがない点も安心材料とSRMは考えている。
企業の資産売却ニーズに外部成長の機会
SLRのポートフォリオ物件の稼働率は上場以来、100%を維持している。さらに契約更改時の賃料改定では平均3%程度の増額に成功している。
今後の外部成長では、スポンサーが開発した先進的物流施設「SOSiLA」シリーズを軸に、ポートフォリオの多様化・利回り向上を狙い、グループ外からの取得物件「LiCS」シリーズやインダストリアル不動産の取得も進める。グループ外からの物件取得では、SRMやスポンサーのネットワークから企業の資産売却ニーズを拾うとともに、インダストリアル不動産では多様な産業セクターに精通した総合商社グループならではの目利きを活かすとしている。
ESGへの取り組みにも力を入れている。GRESBレーティングの5スターを2年連続で獲得した。「スター獲得は相対評価で決まり他社との競争がし烈だが、細やかな要素にも気を配り、さらなるレベルアップに努めたい」と松本氏は話している。