不動産ファンドAM事業者総覧

不動産ファンドAM事業者総覧

良質資産の確保、AUM成長力に強み
産業用不動産に着目し差別化を図る

スポンサーとの太いパイプライン
良質な資産確保による成長性

 
日鉄興和不動産を母体とする不動産AM会社。総合不動産大手の与信とパイプラインを背景に、良質物件の開拓力と運用規模の成長性を強みとする。運用するファンドは、一部コアプラス型を含むコア型の私募ファンドと、コア型の私募REITの二本柱。そのほか開発型ファンドへの投資にも注力している。
 
私募ファンドでは約2,700億円を運用。ソーシング戦略では日鉄興和不動産の首都圏・駅前再開発事業と連携し、スポンサーの事業展開に合わせ新たなアセットにもフォーカスするほか、低稼働物件の再生型や再開発を検討するエリア内の築古ビルなどを取得している。また地方では日本製鉄グループの遊休地有効活用事業と連携し、好立地の物流施設や地域密着型の商業施設などに投資している。
 
私募REIT(日鉄興和不動産プライベート、2023年8月運用開始)では、279億円を運用。中期的には1,000億円の運用規模を目指す。ポートフリオ戦略では、物流施設を含む産業用不動産への集中投資を掲げ、スポンサーが開発した資産を中心に組み入れ規模成長を図っていく方針だ。

 

  
 

産業用不動産中心型で独自性を追求

 
産業用不動産とは、具体的には危険物倉庫、クレーン付き倉庫、プロセスセンター、データセンター、R&D施設などを指す。
 
私募REITへの組入れ事例は国内ではまだ少ないが、「トラックレコードの積み上げで、投資家評価が向上、市場拡大が見込まれ資産流動性が高まる有望資産」(取締役 私募ファンド第一部長 鵜澤伸崇氏)とみる。そのほか、製鉄所周辺のコンパクトシティに所在するスポンサーの開発した商業施設なども、稼働安定性の高い基盤施設とみて積極的に取得していきたいとしている。
 
人材の補強も進める。AM経験者のほか、仲介、金融、PMなど幅広い業界から未経験の若手社員を採用、育成する方針だ。


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