機動的な追加投資がもたらす
効果的な付加価値アップ
オポファンドの出口に成果
JapanCor(ジャパンコー)は、米ブラックストーンが投資した日本国内の不動産を運用するAM会社。運用資産残高は3,000億円(2023年1月時点)で、運用スタイルはオポチュニスティック型が中心。22年はオフィスや商業施設10物件超を運用するファンドが出口を迎え、「想定通りのキャピタルゲイン確保に貢献した」(CEO 貝塚浩康氏)。ファンドの財務戦略についても、この先の金融環境変化を見据え、大型案件を中心に調達したローンのリファイナンスやリストラクチャリングを支援した。
物流・データセンターにも関心
JapanCorの強みは短期間でのバリューアップ力にある。オフィスビルではセットアップオフィス化を実施、リーシングや賃料アップを有利に進めた。郊外型商業施設では撤去した駐車場に独立店舗を誘致、収益源を増やしている。ホテルでは今後の訪日客増加を見込み、数十億円をかけた大規模改修やレベニューマネジメントシステム導入のほか、研修プログラムや生活支援による従業員定着の仕組み強化も行っている。
「こうした強みの源泉は、オポファンドの運用に長けた人材の豊富さにある。今後も物事の予見力や発想の柔軟性に優れた人材を増やしていく」(貝塚氏)。
ソーシングでは、投資家ニーズの高まりから、物流施設やデータセンターの開発も手がけブラックストーンを支援。「郊外立地の大型物件のみならず都心立地の中小物件にも関心がある」(貝塚氏)。
ESG戦略に関しては、ブラックストーンのESGチームと連携しロードマップ策定を準備中。社内にESG委員会を立ち上げ、元CSR環境デザイン投資顧問のメンバーを部門責任者に招聘し体制を強化した。またブラックストーンの新規投資案件CO2 排出量を3年間で計15%削減する目標を念頭に、エネルギー消費量把握やグリーンリース導入、ホテルでの使い捨てプラスチック排除などの取り組みを進めている。