開発と用地発掘ノウハウ
リターン追及型投資に活かす
良質な用地確保にノウハウ
KICアセット・マネジメント(KICAM)は物流倉庫特化のファンド運用会社。運用スタイルはハイリターンを追及するバリューアッドとオポチュニステック型。主にBTSの中規模倉庫(敷地面積3,000~1万坪、50億円/棟)開発に投資。現在16案件(総事業費約1,200億円)を進行中。
KICAMの強みは、開発力と用地発掘力にある。開発力では、米国(加州)の現地法人を通じ蓄積した最先端の開発・運営ノウハウを国内投資に活かしている。また発掘力では、地主や事業会社から開発用地を相対で獲得するノウハウがある。「5~10年と中長期で資産コンサルティングを提供した顧客先から良質な用地を仕入れる」(代表取締役会長 峯田勝之氏)。狙いを定める立地はテナント需要が分厚い国道16号沿線で、2022年には「KIC厚木ディストリビューションセンター(DC)」と「狭山日高DC」を竣工、2023年以降は「あきる野DC」「春日部DC2」などを竣工予定。
「地方」と「ESG」に重点
この先注力するのは地方とESGだ。地方では西日本(近畿、中国、九州)の政令指定都市近郊への進出を検討中。すでに地元有力企業との関係構築を開始している。またESGでは「E(環境)」「S(社会)」の両面を強化。Eの分野では「越谷DC」(2021年10月竣工)で屋上太陽光パネルにて発電した電力を安価(17.5円/kwh)にテナントへ供給。Sの分野では「あきる野DC」(23年12月竣工予定)で地域住民に防災設備やEVチャージステーション、セルフストレージを提供予定。
物流倉庫以外あるいはオポチュニステック、バリューアッド以外の投資にも意欲的。データセンターや工場の底地・建物の金融商品化を模索するほか、竣工済み物件の中期的受け皿としてコア型ファンドを昨年3月に組成した。さらに上場/私募REIT組成も視野に入れる。業容拡大するなか、50~60代の経験豊富な人材と将来の幹部候補である20代若手社員を積極採用中という。