物件運用、投資家営業に人材充実
旺盛な投資意欲背景に残高伸ばす
専門部隊が投資家ニーズ汲み取る
野村不動産投資顧問は、上場REITの野村不動産マスターファンド投資法人(NMF)や私募REITの野村不動産プライベート投資法人(NPR)、その他私募ファンドを運用するAM会社。
運用資産残高は1兆5,910億円におよび(2020年9月時点)、私募REIT、私募ファンドの投資家は年金基金や金融機関、事業会社など211名におよぶ(同年8月末時点)。
国内有数のデベロッパーである野村不動産から、優良な物件と不動産に精通した人材を確保できることが大きなアドバンテージとなる。加えて投資家営業の専門部隊を擁し、投資家の声(ニーズ)を直接汲み取ったうえで、私募ファンドなどの組成に反映できる。そのほか不動産マーケットにかかる独自のリサーチ部隊も抱えており、商品運用の精度を向上させる役割を果たしている。
私募REITの増資は計画通り
コロナ禍でも投資家の投資意欲は衰えておらず、NPRでは旺盛な投資家需要により、計画通りに増資できたとのことだ。「私募REITのなかで最も長くトラックレコードを積んでいることへの信頼感が大きいのではないか。また、LTVも他社銘柄に比べて低く、さまざまなタイプの物件への投資で分散が利く総合型のポートフォリオを構築していることもポジティブに働いている。一方私募ファンドは、収益のブレが少ない住宅を中心に、オフィス、ヘルスケア、底地など幅広いセクターで、投資家ニーズに沿ったファンドを組成している」(企画部長 執行役員の小泉慎二氏)。
そのほか、2015年にサステナビリティ方針を打ち出し、17年には責任投資原則や国連環境計画・金融イニシアティブに署名するなど、他社に先んじてESGにも取り組んできた。NMFでは、温室効果ガス排出量を40%削減、水使用量を10%削減などの目標を掲げている。
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