物流特化、リターン追求型運用に特色
ソーシング力を強みに開発型にも関与

物流特化のブティック型運用会社

 
 KICアセト・マネジメントは、物流施設・倉庫に特化したブティック型AM会社である。国内外の大手機関投資家を主な顧客層とするほか、米国(カリフルニア州)に現地法人を構えローカル投資家と緊密なネトワークを築いている。同社の特色は米国の物流施設運営に精通していること。米国譲りの最先端ノウハウに基づいたバリーアプ手法が売り。バリーアド、オポチニスティックなリターン追求型フンドの運用を得意とするほか、開発型フンドにも力を注いでいる。
 
 開発するのはBTS型の中規模(50億円規模)倉庫が主体だが、一番の特徴は物件調達(ソーシング)力だ。「コンサルテングの立場で、地元企業の不動産活用戦略を提案してきたおかげで、エリアでも競争力の高い物流適地を相対取引で確保できる」(代表取締役会長 峯田勝之氏)。エリアにして一都三県、とくに国道16号沿線という荷主企業の需要が分厚いエリアを戦略的に押さえていることが強みといえよう。

 
 
 

  
 

大型施設開発着手で実績積み増し

 
 開発プロジクトをいくつか例に挙げると、20212月には、「KIC春日部デストリビーシンセンター」(埼玉県春日部市)を竣工。10月には同越谷、2022年には同厚木、海老名のプロジクトが竣工を控えている。いずれの物件もテナントは内定済み。竣工後出口として自社コアフンドの組成を用意している。
 
 2021年以降は延床面積3万坪以上、金額規模で250億円以上の大型施設の開発にも乗り出す計画。警備ロボト、太陽光発電設備などを導入し、運営効率化とESG対応の強化を同時に狙う。
 
 竣工済、開発中の6施設に、計画中の8施設を加えた14施設の総事業費は1,200億円を見込む。トラクレコードの積み増しと顧客投資家の幅を広げ、2023年中には親会社のKICホールデングスの株式上場も計画している。


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