「季刊レジャーホテル」通信②
2020.05.11 発信
コロナウイルス感染拡大に伴い、業界団体が行政に対して陳情を実施
「レジャーホテル.NET」(http://www.leisurehotel.net/)で既報の通り、4月16日、(一社)日本レジャーホテル協会(会長 清水祐侍氏)は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛でレジャーホテル業界の経営環境が悪化している現状を受けて、国会議員を通じて各省庁へ陳情を行なっている。
そのうち「学校等休業助成金及び雇用調整助成金」は、これまではレジャーホテル・ラブホテル(店舗型性風俗特殊営業第4号)業者は除外されていたが、今回は、雇用関係助成金支給要綱の変更が認められ、レジャーホテルも対象となった。同協会では、今後もさまざまな陳情活動を継続的に行なっていくとしている。
また、緊急事態宣言の発令を受けて、長野県では4月21日に「帰省や旅行、不要不急の県域をまたいだ移動自粛の要請」として、県下のホテル・旅館に対して休業などの検討依頼を行なった。それに対して「信州レジャーホテル協会」(会長 宮原眞氏)は、レジャーホテルが観光や旅行目的の利用客を対象としていない旨を行政に説明するとともに、協会ホテルに対して、県外からの観光客を呼び込む予約の停止や、県外からの利用客の受け入れ停止などの自主規制を徹底させて対応した。
「組織の力」がマーケットを活性化させる
こうした行政対応は、1事業者が行なっても限界がある。業界団体という「数の多さ」があってはじめて、行政は耳を傾けてくれるのである。1985年、2011年の「風営法改正」など、これまでレジャーホテル業界は、大きな逆風下に大同団結し、その後は徐々に四散してしまうという傾向がみられた。
ただ、その後、若手経営者の台頭や、従来の「飲み会やゴルフコンペなどの懇親の場」から、「ホテル経営・運営戦略を学ぶ研鑽の場」という要素が強まることで、組織活動が活発化し、全国規模で組織拡大が進んでいる。
団体加入のメリットとは何か。ひとつには「NHK放送受信料の軽減」といった数値化できるものもあるが、もっとも重要なことは、「行政に対して業界の声をしっかりと届かせる」ことにある。
今回のコロナウイルス感染拡大を受けて、国内の宿泊業態の多くは、インバウンド需要から国内需要へとシフトし、その中心が地域のカップル需要になることは間違いない。こうした新たな競合時代を迎えるなかで、レジャーホテルがその優位性を活かした経営・運営を維持していくためにも、組織拡大は重要な意味をもつといえるだろう。
季刊「季刊レジャーホテル」
編集長 金江 広
〈バックナンバー〉
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