造花・生花による季節ごとの演出で
ホテルのイメージアップ【冬編】
〈最終回〉
㈱MICHALLON 代表
石川味季氏
冬をイメージさせる花の演出。
秋の風が吹くと、すぐに冬クリスマスの準備です。コロナで元気のない街を元気にできるのは、装飾です。花・イルミネーションを見ると明るい気持ちになります。自分のお店のことだけではありません。外を歩く人も元気にしてくれるのが装飾です。街のイメージや人の心のメンテナンスに役立つのが【冬の装飾】なのです。
四季で「冬」を代表する花の演出として適切な花は、常緑樹です。変わらないことが永遠の命をイメージします。クリスマスには、モミ、ヒバを使うことが多くお正月には神の依り代として松を飾ることが多いです。グリーンによって使う花は変わります。季節の装飾は印象が強い方がいいので、反対色(コンプリメンタリーカラー)を使うといいでしょう。グリーン「緑」の反対色は「赤」の装飾が適しています。
空間のイメージアップは、「美しさ」「高級感」「高揚感」です。
赤と緑のコンプリメンタリーカラーハーモニーに、高級な質感をプラスすることでさらにイメージアアップします。
(赤い花)アマリリス、ポインセチア、バラ椿などが一般的です。
【クリスマス】などは、カップルパーティーやクリスマスパーティー。【お正月】は家族が集まったり、お正月の疲れを癒したい人などイベントに即した花の演出はリピート率だけでなく部屋に価値を生み出します。
クリスマスツリーにも、流行があるのをご存知ですか?これは、パリコレのトレンド色を意識したり、シャンゼリゼ通リの流行が影響します。飾るオーナメントにもはっきりとでます。毎年同じツリーを飾るときには流行遅れではないか?確認しましょう。
装飾というのは、飾ればいいというものではありません。世の中の流行を取り入れることも大切なことです。
たとえばフランスやヨーロッパの流行の華やかな【バタフライ】バロック時代の宮殿をイメージしたオーナメント【花の女王バラ】を飾るなど特別感を出す組み合わせが高級感につながります。花のディスプレイでも、同じような商品を扱っているのに、「高級に感じるお店」と「残念なお店」があります。それは、アレンジや花の組み合わせで決まります。
【松樹千年の翠】という言葉があります。冬というのは年末と新年があります。年の瀬に、変わらず過ごせた意味と、変わらず過ごせるように願い。永遠に色の変わらない緑を使うことが先人の知恵なのでしょう。だからこそ、外を歩く人にもそんな思いを感じてもらう装飾が、企業にとっては大切かと思います。左右シンメトリーの設置は風水的にも最高に運気があがるといわれる配置です。門松などは、お客さまをお迎えするすばらしい装飾です。
外植栽は、外を歩く人が目を引く大切な要素です。ネガティブなイメージではなく、ポジティブな気持ちで入店できる明るい色遣いの植栽がワクワクした高揚感としてリピートにつながります。
受付周りや、ちょっとした、サイドスペースでも、花がセットされているだけで「おもてなし」を感じるものです。
石川味季 プロフィール
国家検定フラワー装飾技能士1級いけばな池坊准華督教授。イベントの花装飾とお花の先生を育てる協会の経営を26年。女性の団体をまとめている女性目線の専門家。DFAフローリスト資格認定協会会長 https://www.michallon.com