7月、8月に新型コロナの感染が再び拡大し、いつになったら収まるのか、ますます見通せなくなった。
葬祭ビジネスへの影響も大きく、短期的な景気、雇用動向等を把握できる経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によれば、4月と5月の葬儀業の売上高は前年同月比で、それぞれ75.8%(24.2%減)、76.5%(23.5%減)と落ち込んだ。取扱件数は前年同月比で4月が96.6%、5月が95.7%(4.3%減)にとどまっていることから、通夜振舞いなどの飲食の省略、供花や返礼品(会葬者)の減少等が売上高の低下につながったのは明らかだ。ちなみに、結婚式場業への影響は葬儀業以上に甚大で、4月の売上高が前年同月比7.9%(92.1%減)、5月が2.0%(98.0%減)で、取扱件数も同程度の大幅減となった。結婚式は催事色が強く延期や中止ができるので自粛に向かったが、死者をそのまま放っておくことのできない葬儀ではそうはいかない。有無を言わさず葬らなければならず、規模の大小はあれサービス業務は必ず発生することから、結婚式ほど取扱件数がダウンしなかったことが推測できる。
こうしたデータからもわかるように、葬儀や結婚式をはじめ、催し物や会合、宴会、対面の営業行為など、人間が社会生活や企業活動を営むうえで欠かせない、リレーションや縁、コミュニケーションの場がコロナ禍によって大きく揺さぶられたのである。