目標前倒しでAUM5,000億円突破
事業規模の成長へ向け人材拡充急ぐ
良質資産の確保を最重視
三井物産リアルティ・マネジメント(MBRM) は、MBRMファンド、データセンター(DC)ファンド、REITを事業の3本柱とする私募不動産AM会社である。AUMは中期目標(2026年5,000億円)を大幅に上回るペースで増加し、現在5,648億円に到達している。その急成長の要因が、資本・業務提携を結ぶ、かんぽ生命保険と共同組成した旗艦ファンド「MBRMファンド」の資産規模拡大と、DCファンドの開発物件竣工や収益型DCファンドの新規組成である。
MBRMは、全国主要都市の物流、オフィス、商業、住宅、ホテル、DCなど、総合型の投資方針のもと多様な資産を投資対象とする。価格帯も10億円~1,000億円/棟と幅広く検討できる。「不動産の本源的価値を迅速に見極める確かな目利き力、高い信用力をバックグラウンドとした資金調達力が当社の強みである」(代表取締役社長 大矢孝氏)。


企業の資産売却ニーズに外部成長の機会
セクターごとの動向は以下の通り。私募ファンドは、「MBRMファンド」を軸に運用中。AUMは約2,000億円。ポートフォリオには、2024年12月取得の大規模オフィスビル「Otemachi Oneタワー」がある。
「都心の得難い物件で、MBRMファンドを代表する資産」(大矢氏)。
DCファンドは、AUM約2,000億円。ハイパースケーラー型DCの開発プロジェクトを5件並行して推進する一方、収益型DCの外部取得も実現。「DC事業への早期参入で蓄積したノウハウの先行者メリットは大きい。開発プロジェクトの実績が収益型DC取得にもつながっている」(同)。
私募REITは、AUM約1,300億円。2024年8月に第8回増資を実施し、年金基金をはじめ幅広い投資家層を有する。
さらなる事業成長実現へ、人材採用を強化する方針だ。「直近2年で社員数は1.5倍に増加。AM、不動産、金融業界の経験者を積極採用したい」と大矢氏は話した。