商社系列のバックボーンに強み
開発型・巨大DCで成長に弾み
人材力×ソーシング力で成長
三井物産リアルティ・マネジメント(MBRM) は三井物産傘下のAM会社。運用資産残高(AUM)は1,695億円(2022年1月末時点)で運用スタイルはコア、バリューアッド型。産業用不動産においては開発型案件にも力を入れる。運用資産は物流施設とオフィスが中心である。
縦割り業務を排し機動力を重視した組織体制で、不動産と金融を熟知した担当者が業務横断的に案件情報を掌握、迅速な意思決定を可能とする。ソーシング力にも定評がある。商社系列ならではの柔軟な発想と広範なネットワークに加え、グループ外企業との連携や共同AM等にも積極的に取り組み多種多様な物件取得を実現している。
資産タイプ新規開拓で勢い
現在運用中の私募REIT「三井物産プライベート投資法人」は総合型の投資方針を採り、2018年2月の立上げから毎年増資を積み重ねている。2022年2月には計画を1年前倒してAUMは1,000億円の大台に到達した。私募ファンドでも産業用不動産の分野で新たなアセットタイプを開拓、運用規模を拡大しているところだ。成長ドライバーの柱が“ハイパースケールデータセンター(HSDC)”の開発ファンドだ。カナダの年金基金の出資を受け2021年6月に第一弾ファンドの運用を開始した。竣工後は1棟あたり500億円程度の資産規模を見込み、目下千葉県、埼玉県、京都府で3プロジェクトを同時進行中。
運営面ではESGへの取組みに注力。2021年4月にサステナビリティ推進体制を敷いたほか、私募REITでは環境認証取得率で過半を達成(評価額ベース)、グリーンリース導入も積極化している。今後はHSDC開発型案件の竣工と、私募REITの更なる資産規模拡大、新たなコア型私募ファンド組成により3年程度でAUM倍増を見込む。
人員拡充を急いでおり「多様な業界から専門性ある人材を積極採用する方針」(代表取締役社長 大矢孝氏)という。