物流施設投資のスペシャリスト
開発案件からコア型投資まで一気通貫
エリア深耕、開発型ファンド続々
KICアセット・マネジメントは物流施設に特化したAM会社。運用スタイルはバリューアッド、オポチュニスティックのリターン追及型。既存施設はもとより開発案件にも力を注いでいる。ファンドの主要顧客は国内外の大手機関投資家。米国（カリフォルニア州）の現地法人を通じてローカル投資家と緊密関係を築いている。
特徴は首都圏エリアでの案件確保力。荷主企業の需要が大きい国道16号沿線を重点カバーしており、「エリア内の地主や事業会社と深いリレーションを築き、開発機会を掘り起こしている」（代表取締役会長 峯田勝之氏）。また、米国現地法人を介して世界最先端の物流施設開発・運営に精通している点も特徴だ。
コアファンド、REIT組成も視野
投資する開発型案件は、BTS型の中規模倉庫（敷地面積1万坪以下、50億円規模）が主体。16件で総事業費は約1,200億円に上る。具体的には、2021年に「KIC春日部ディストリビューションセンター」と「同・越谷」を竣工。2022年以降は「厚木」「狭山日高」「あきる野」「春日部2」のほか、大型案件（敷地2万坪以上、250億円規模）などが竣工予定だ。
ESG対応にも熱心である。あるプロジェクトでは公園や商業機能を複合した地域共生型の物流施設を計画中。屋上太陽光パネルで発電した電力をテナントへ安価に供給するシステムも順次導入していくとしている。
本年3月には、竣工済み物件の中期的受け皿としてコアファンドを組成済みで、今後は上場／私募REITの組成も見据えている。2025年度中には親会社のKICホールディングスの株式上場も計画中だ。業容拡大に伴い「不動産証券化ビジネス分野の人材獲得に力を入れている」と峯田氏。陣容が整い次第、国内では関西や九州エリアへの進出を、海外ではシンガポールにて拠点開設も計画している。