木造建材の開発からグループを挙げ取り組む
では、具体的に木造建築の内容をみていこう。
基本計画の段階から、低層部を鉄筋コンクリート造(RC造)で築き、その上層に木造フロアを建築する立面混構造とし、純木造となる9∼11階の3フロアについては壁を枠組壁工法、床をCLT(直交集成板、北海道産トドマツ使用)とする構造を採用。
一般に中規模木造オフィスビルは、無柱空間が求められるため、柱梁構造が主流だが、今回壁式工法を採用したのは、フロア内に客室が並び、多くの間仕切り壁が必要となるホテル用途の場合、この間仕切り壁を耐力壁として木造枠組壁に置き換えることで耐力の確保が可能になる、との理由からだ。その意味で、壁で細かく空間を仕切るホテルと、壁式工法は親和性が高いものといえるだろう。またその結果、前述のように構造材として1,000トンを超える、わが国で最も多い木材使用量の実現にもつながっている。