ゴルフ場の予約件数は20年夏以降増加し、20、30歳代の若年層、かつ(短時間・低料金の)スループレイスタイル中心の傾向が続いています。この状況は22年以降も当面続くとみています。スループレイはゴルフ場側としてはオペレーション上、結構な手間を要しますし、飲食需要がないぶん客単価が低くなるため、20年末あたりからスループレイをやめて休憩を挟む従来のスタイルに戻したゴルフ場もありますが、戻した途端に集客に苦戦しているという話も聞きます。逆にスループレイスタイルを強化したゴルフ場にお客さまが集中しているといった状況です。
ゴルフ場のグレードによって異なりますが、ビギナーも受け入れる標準的なゴルフ場は、コロナ前とは明らかに風景が変わっています。たとえば当社が運営するゴルフ場「GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス」(神奈川県茅ヶ崎市)では週1回、ビギナー向けにラウンドデビューをお手伝いするプランを設けています。道具はレンタル、ボールやティーはプレゼント、スタッフが手取り足取り教えるというものですが、これが若者や女性のグループ、子育てでいったんゴルフを離れていた若い夫婦などに好評で、以前のように、「ちゃんと練習してから」「ゴルフの上手な人に連れてきてもらう」というのではなく、みなさん気軽に楽しまれています。われわれとしてはこうした体験をリピートにつなげたいと考えています。
つまり、ゴルフ場が自ら敷居を下げ、ビギナーを受け入れる環境を整備、そして既存のメンバーに理解いただきながら一緒にゴルフを楽しむ環境をつくっていくことが、選ばれるゴルフ場への近道のように感じています。
最新の状況に関しては、22年1、2月の予約状況をみると、ゴルフ熱の高いコアゴルファーを中心にコンペ需要が戻ってきているという動きもあります。コンペは緊急事態宣言で3分の1以下に減りましたから、この動きは興味深いですね。オミクロン株の動向しだいといったところでしょうか。