事業的には全体オープンから日が浅く、時期的にもコロナ禍に見舞われたことから、まだ十分な認知が広まっていない。しかし、密になる環境が少ない開放的な構造などから、逆に滞在先として選ばれるケースも。またアーティストだけでなくIT関連の技術者などがテレワークプレイスとして滞在利用するニーズもあるという。類似施設がないため価格面での訴求などもむずかしい業態だが、利用者からのSNSを使っての情報拡散による新規客の獲得も多い。現在のスイートヴィラの平均客単価は8万5,000円、レジデンスは同2万円。
「世界的にSDGsやCSR、エシカルということが注目される流れは、これからの時代の主流になると思われます。そうしたなかで、ホテルやリゾートのあり方もかつてとは異なった価値、目的が求められるようになるでしょう。私たちが30年以上にわたって追求し、実践してきた、都会を離れ、現代的な生活を見直し、新しい時代へのまなざしを獲得するための場所=カルチャーリゾートというスタイルは、今後ますます求められるようになっていくと思われます」と北山氏は今後の展開に自信を深めている。
(そのほかの先進事例研究は本誌にて)