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公園の眠れる資産を活用、コンテンツを複合させ
大人も子どもも楽しめる「遊び場」「遊び空間」を創出

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「マッスルモンスター」や「万博BEAST」など、アスレチックタワーの導入で注目を集める慨Eアミューズメントは新たな魅力を作り出すことに長けている。Park-PFI事業でも集客コンテンツは欠かせない要素であり、同社が公園の資産を活用し、人が集まる空間をつくり出しているかレポートする。

公園のポテンシャルを読み解き複合的な提案で活性化

 「人と人とをつなげるアミューズメントの提供」が企業理念の慨Eアミューズメントは、アジア初となるアスレチックをタワー状に配置した「アスレチックタワー」の導入をはじめ、ヨーロッパで話題のケーブルシステムを使用したウェイクボードパーク「ウェイクパークス」、電動キックボード「キックスター」、吊り下げたレールを滑車で滑走する「ローラージップ」、世界初のフローティングサーフプール「ユニットサーフプール」の5つの屋外アクティビティのコンテンツを保有し、VRを使った次世代フィットネスマシーン「イカロス」も展開している。
 「個々のコンテンツである『遊び場』づくりと複合的なコンテンツを入れることによる『遊び空間』の創出、その両方を一体として提案していくのが私たちの強味です」と同社取締役の武田潤氏は語る。
      「遊び空間」のイメージ図
 1つのコンテンツがあるだけでは、たとえば「父親が興味をもっても他の家族がついてこない」といったことが起こるが、複合的なコンテンツがあることで「遊び空間」が生まれ家族がそれぞれの楽しみができる。20年3月「万博記念公園」(大阪府吹田市)で自主事業者として運営に着手した「アスレチックタワー『万博BEAST』の事例では、公園側から「公園内の活用されていない森のエリアにアスレチックタワーを導入できないか」という要望に対し、同社は森だけではなく周囲の自然環境、川と広場を活かす提案を行なった。
 結果、アスレチックタワーに来た子どもたちが待ち時間に川沿いで遊ぶようになり、現在では家族連れが川沿いにタープを敷き、1日中公園で遊ぶ拠点になったという。単独のアスレチックタワーではなく、水辺と空間をつなげ、コンテンツを複合させることで「遊び空間」を創出したといえる。「公園はさまざまな建築家・設計者が工夫し、資産としてできあがったものですが、時間の経過とともにコンテンツが老朽化・休眠し、公園内のよさが失われてしまっていることが多いのです」と同氏は語る。
 同社はこうした眠っている公園のポテンシャルを読み解き、公園全体の回遊性・滞在性を高めるきっかけとなるコンテンツを提案することで公園資産の活性化に貢献している。

運営やリニューアルを見据えた長期スパンで提案

スペースに合わせた提案が可能
         
 計画段階において、Park-PFIの主体者は「こんな集客コンテンツがある」ということに目を奪われ、実際の運営や利用者のことまで考えが及ばないことがある。それでは公園の魅力を引き出しきれない可能性も高い。
 同社なら万博BEASTの運営経験を活かし、導入後の運営やスタッフの配置も含めた提案が可能である。また、どんなコンテンツでもオープン直後は話題性もあり集客は有利だが、長期的な集客を考えると定期的なリニューアルは必須となる。同社では提案段階で拡張、可変を見据えた配置計画の提案だけではなく、数年ごとのリニューアルを見据えた事業計画を策定している。
 たとえばアスレチックタワーの躯体は塩害地域にも対応した溶融亜鉛メッキされた鉄骨造で長期にわたる耐用年数を有する。
 イニシャルコストは3~4年で回収でき、さらにジップラインやネット遊具など個々のアクティビティの付け替えや新設もできる構造になっている。早期にイニシャルコストを回収し数年ごとのオプション導入でリニューアルを打ち出す、数十年計画もあり得るPark?PFIに適したコンテンツといえるだろう。

水面の活用で新しい「資産」ができる

 公園内の池や湖はポテンシャルの高い資産であり、同社ではウェイクパークスとしての活用を提案している。電動のケーブルで牽引されるウェイクボードは速度が一定で滑走しやすく、曳行用のジェットスキーなどによる波もないためビギナーでも滑走が可能。ファミリーやカップル、友人同士で1日中楽しめるアクティビティだ。
       日本でケーブルウェイクボードができる施設は2ヶ所しかない
 武田氏は「公園の池・湖は憩いの場として必要ですが、藻の発生や落水事故のリスクで管理上は負担となっていることがあります。しかし、ウェイクパークスを導入し管理費用を投入するだけの収支が得られれば、それは貴重な『資産』に変わります」と言う。万博BEASTの運営経験で得られたノウハウは「その公園にとっての分岐点、適正なコンテンツの規模感を見極める力」(武田氏)だという。
 同社はただ集客装置を提供するだけではなく、その施設にあるスペースや集客目標、さらに周辺環境も含め拡張性をもった提案ができるようになり、Park-PFI関連での問合せもふえている。
 「私たちの企業理念『人と人とをつなげるアミューズメントの提供』。Park-PFIにかかわるにあたって、公園の魅力を高め、家族が集まって遊ぶ「公園・広場」づくりに積極的に取り組んでいきたい」と武田氏は語る。

プロフィール

慨Eアミューズメント
2015年設立の慨Eアミューズメントは、スポーツ施設やテーマパークの企画から運営をプロデュースし、メンテナンスまで総合的にサポートしている。「さがみ湖プレジャーフォレスト」の「マッスルモンスター」や「万博記念公園」の「万博BEAST」などアスレチックタワーの導入実績を多数もつ。
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