■葬祭会館
編集部の調べでは、東京キ内における民営の葬祭会館(以下、葬祭会館)は374か所、そのうち23区内の葬祭会館は都全体の6割を占める227か所が確認できた。もちろん、オープン・クローズ等の確認漏れはあるが、比較的精度の高い指標にはなるだろう。
この227施設が、仮に1会館当たり月に10件の葬儀を施行しているとすると、年間では227か所×10件×12か月で、年間2万7,240件。227施設のうち、3分の1ほどが2式場を擁して月5件を施行しているとすれば、約75式場×5件×12か月で4,500件。合わせて、年間3万2,000件弱が葬祭会館で行なわれていると推計できる。
死亡数8万人のマーケットで、227か所の葬祭会館は少ないといえるが(たとえば、愛知県は死亡数7万人に対して会館数は500か所超)、この現況を補っているのが民営・公営問わず火葬上に併設する式場(以下、併設式場)、区民会館、そして寺院本堂・寺院会館である。
■民営・公営火葬場
東京23区の火葬業務の7割を担うといわれているのが、ケーススタディでも取り上げている東京博善である。印刷・出版業が主力の廣済堂グループの1企業として事業展開してきたが、20年2月、廣済堂の完全子会社となることが発表され、新体制のもと時代が要請する新たな施設像を打ち出した。廣済堂のIR情報によれば、東京博善の20年3月期の売上高は87億3,500万円。23区内に6か所の火葬場(火葬炉合計64基)と火葬設備をもたない会館を1施設展開し、併設式場も7か所全体で36式場にのぼっている。
(続きは本誌で)