オンライン葬儀とは、葬儀の様子を動画配信サイト「YouTube」やWeb会議システム「Zoom」を使用し、視聴者限定によるリアルタイム配信、もしくは期間限定(1週間程度)といった形で配信サービスを提供するものだ。
ただ、そのほとんどが無料で提供されており、機材環境の整備までを含めると葬儀社の負担も少なくない。さらに、オンライン葬儀を導入することで、スタッフの手間もふえてしまうデメリットもある。加えて、いくら限定配信とはいえ、個人情報の流出といった問題が生じないよう、セキュリティ対策には細心の注意を払う必要があるなど、これまで以上に顧客データ管理に留意しなければならなくなったといえる。
参考までに、ケーススタディで取り上げた各社も、「オンライン葬儀は、あくまでも会葬が叶わない人に向けたサービスとして実施しているもの」と声を揃えるように、今後は、あくまでもコロナ禍(もしくはそれに準じる災害時)などの際の限定的なサービスとして提供したいという意向を示している。
言い換えれば、会葬がどうしても叶わない人向けのサービスとして提供することはいとわないが、故人との最後のお別れの場として相応しいのはリアルな会葬だということだろう。
オンライン葬儀に取り組んだ事業者のなかには、オンラインシステムの利便性に魅力を感じ、「ライブ配信」以外の活用術に着目する事業者もある。具体的には、「事前相談」「リモート終活セミナー」「就職活動」といった消費者とのコミュニケーションツールとして活用するものだ。加えて、複数の事業所を有する事業者にとっては、各拠点を結んで行なうオンラインミーティングに活用するケースもある。
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