マネジメント契約方式とリース方式のいずれを選択すべきか
以下の相違点を考慮する。ただし、国際的オペレーターはマネジメント契約方式が一般的。事実上、マネジメント契約方式を受け入れざるを得ないことが多い(国際的オペレーターでもリース方式を受け入れるケースもあるのでこの点は交渉事項)。
◎オペレーターに対する法的保護:リース方式ではオペレーターは賃借人として借地借家法による強い保護を受ける
◆原則としてオーナーは更新拒絶不可、オペレーターに賃料減額請求権あり(以上は普通借家の場合)
◆パフォーマンステストによるオーナーの解除権の有効性が不明確
◆オペレーターは新所有者に対してホテル運営権(賃借権)を主張できる
◎損益の分配:
◆マネジメント契約方式:オペレーターが売上げ及び収益に連動するフィーを得て、その他はオーナーが損益を受ける(アップサイド及びダウンサイドはオーナーに帰属する)
◆リース方式:@固定賃料、またはA固定賃料+変動賃料(アップサイド及びダウンサイドはオペレーターに帰属する)
◎費用負担とオーナーのモニタリング
◆マネジメント契約方式はオーナーがホテル事業の費用を負担する。費用の適切性を確保するためにモニタリングが必要
◆オーナーにモニタリング能力があるか否かがポイント
◎ホテル従業員の雇用
◆マネジメント契約方式ではオーナーが雇用し、リース方式ではオペレーターが雇用することが一般的
◆ただし、マネジメント契約でもオペレーターが雇用するケースもある
◎ホテル売却の難易
◆リース方式のほうが売却先を見つけることが容易(賃貸事業としてホテルを取得する者を売却先候補とすることができるため)