鈴木氏は同時期、東京大学大学院が、キリン、小岩井乳業と共同で行なった基礎研究によって、カマンベールチーズにアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの沈着を抑える「オレイン酸アミド」と「デヒドロエルゴステロール」が含まれることを発見したことに着目。カマンベールチーズにおける認知症予防の可能性をさらに追求すべく、カマンベールチーズを製造・販売する明治に共同研究を提案したのだ。
「それまでも当社では他社に先駆け、栄養食品や流動食専用の自社生産工場を開設するなど、医療・介護分野には力を入れてきました。今回、一般的な乳製品で広く高齢社会の役に立てるのであればという思いから共同研究に取り組むことになりました」と、明治 栄養機能研究部の山地健人氏は振り返る。