近時、コロナ禍からの回復、地価上昇、物価高などの影響により賃料増額交渉の機運が高まってきています。一方、テナントによっては引き続きの売上不振等による賃料減額交渉もあります。ビルオーナーにとっては攻めと守りの両方をしていかなければならない状況です。
ビルオーナーや賃料改定に携わる実務担当者としては、テナントとの増減額交渉を通じ、自物件のCFを維持・向上することはもちろん、賃料改定を契機に自物件を良質なテナント構成に変え、もしくは契約内容を見直して資産価値を向上させる戦略的な視点やノウハウが求められています。
本セミナーは、事業用不動産の賃料増減額交渉を行う際の自物件の現状把握の仕方や、改定賃料の決定メカニズム・算定手法を学ぶとともに、現場担当者として係争となることを踏まえて、いかに賃料改定交渉を進めていくべきかを解説。さらには、賃料改定を契機に、自物件を良質なテナント構成にするための戦略の立て方や交渉の進め方など、いま賃料改定の現場で求められるノウハウについても開示いたします。
再開発担当者はもちろん、ビルオーナーやアセットマネジャー、プロパティマネジャー、金融機関のご参加をお勧めいたします。
開催終了
13:30~17:00 ※途中休憩を挟み進行いたします。
1. 賃料改定の基本的考え方及び実情
●賃料改定の実情(近年の3大特徴)
●賃料改定の基本的な考え方
2. 賃料改定交渉の前段階における準備過程の流れ(賃料改定交渉を始めるまでに何をすべきか)
●現状把握のための5つのステップ
●交渉スタンスの決定
●交渉のための準備と確認しておくべき事項
1. 継続賃料のあたりをつける
●自らあたりをつける
・市場賃料(新規賃料)の調査
・市場賃料水準、現賃料水準及び相手方(当方)の要求水準との関係性、並びに位置関係の把握
・市場賃料を踏まえての継続賃料水準の検討
●鑑定評価等の活用
2. 相手方の分析、相手方提案の分析
●相手方の分析
●相手方提案の分析
●相手方の鑑定評価書の分析
3. 賃料設定ラインの策定(譲れないラインを決める)
●キャッシュフロー分析による賃料設定ライン
●価格への影響分析による賃料設定ライン
●相場、勝算からみた賃料設定ライン
●賃料設定ラインの策定
4. 具体的な交渉方法の決定と交渉の工夫例
●交渉スタンス・ストーリーの決定方法
●即時に妥結できる例
●交渉のための具体的な準備、根拠・エビデンスづくり
5. 賢く賃料を増額、減額するための今後の対策
●定期借家契約の活用/フリーレント、段階賃料の活用
1. 不動産鑑定評価における賃料評価とは
●賃料の種類
・新規賃料と継続賃料/支払賃料と実質賃料/鑑定評価における管理費、共益費の扱い
・鑑定評価における一時金の扱い
2. 新規賃料の算定手法
●新規賃料を求める主要な3手法とは
・積算法/賃貸事例比較法/収益分析法(オペレーショナルアセットの賃料、賃料負担力)
●各方式により算定した新規賃料の調整と留意点
1. 不動産鑑定評価における継続賃料の意義と特徴
2. 不動産鑑定評価における継続賃料算定の具体的手法
●主要な4手法とは(差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法)
●各方式により算定した試算賃料の調整と留意点
●鑑定評価のどういう点が裁判や任意交渉で問題となるのか?
●なぜ、直近合意時点がいつであるかが問題となるのか?
1. 定期借家契約への切り替えや立退料との関連、最近の賃料改定事例
2. 駅前商業ビル(オフィス・店舗)、ロードサイド店舗、老人ホーム、スポーツクラブ、パチンコ店舗等の賃料改定の現場や、調停・裁判(係争)の場で行われていることで、知っておくべき意外な盲点や注意点とは?
3. 賃料改定において目安としたい上げ幅・下げ幅はどの程度か? 裁判をすれば賃料は上がるのか?
4. 賃料減額をあえて提案した事例とは? その損得勘定のメカニズムとは?
5. いつ任意交渉を諦めて、訴訟に移行すべきか?
6. ずっと増額を渋っていたテナントに大幅増額を認めさせた交渉方法とは?
7. 賃料改定交渉をビル価値向上に繋げるための戦略的視点とは?
開催日時 | 2024年2月21日(水) 13:30~17:00 |
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会場 | 東京ガーデンパレス |
参加費 | 55,000円(1名様につき/消費税および地方消費税を含む) |
株式会社フローク・アドバイザリー 代表取締役社長
不動産プロフェッショナル・パートナー養成講座≪成田塾≫ 塾長
不動産コンサルタント
不動産鑑定士
東京地方裁判所鑑定委員
成功報酬体系の不動産分野ではコンサルティングに報酬を払ってもらえない、士業はコンサルタントになれないという常識を覆すため、大手信託銀行、外資系コンサルティング会社、外資系不動産ファンドなどを経て、不動産鑑定士による不動産・相続のコンサルティング会社を2007年に設立。成功報酬に依存しない経営体制を確立するとともに、他分野の専門家とのJVを活用した独自のビジネスモデルを構築。
また、業務スキルだけではなく、脳科学、心理学に立脚したメンタル面も押さえた独自のコンサルティングメソッドにより、不動産分野専門の経営コンサルタントとしての地位を確立。大手REIT投資委員会委員、上場企業を初めとした複数企業の社外取締役、複数の上場企業・上場企業オーナーの顧問を現任。大手企業と富裕層を中心に不動産・相続分野での顧問契約、プロジェクト契約を数多く結び、問題解決を行っている。
主著書に、日本で初めて立退料にフォーカスした実務書籍「[新版]賃貸不動産の立退料算定&交渉戦略マニュアル(綜合ユニコム)」など6冊がある他、大手金融機関・弁護士団体・ビル経営者団体などの業界団体や企業等での講師実績多数。
綜合ユニコム株式会社 企画事業部
TEL.03-3563-0099