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――ASAレポーティングプロフェッショナル

投資家、AM、PM間の情報を直結
レポーティング業務の無駄を撲滅

AM・PM会社で慢性的な人手不足に悩む業務部門に向けて、SPC管理・会計業務の老舗、青山綜合会計事務所(ASA)グループが、AM・PMのバックオフィス業務をサポートするサービスの提供を本格化している。

業務代行サービス起点にDXの前準備を全力支援

 ASAグループの一員であるASAレポーティングプロフェッショナル(ASARP)はAM・PM会社のバックオフィス業務(各種レポート作成、会計ソフトへの記帳)[図表1]を支援する企業である。

図表1 ASAレポーティングプロフェッショナルのサービスラインと活用メリット

出典:ASAレポーティングプロフェッショナル

 支援の目的は大きく3つある。
 一つめは慢性的な人員不足の解消だ。単純だが時間のかかる作業をASARPが代行することで、AM、PM会社はより優れた人員を収益(フロント業務)部門に集中させられ、そのぶん業績拡大や競争力向上に期待できる体制づくりをサポートする。
 二つめは業務精度の向上である。ASAグループで培ったSPC管理や会計の知識をもとに、会計的な判断や記述、記載
様式などについて、正確でスピーディーな処理が可能となる。
 三つめは多言語対応による海外投資家対策である。外国語レポートの作成や、「Yardi」や「MRI」など、対応する会計事務所が少ないグローバルベースの主要管理・会計ソフトにも対応する。
 ASARPの強みは実はこうした業務代行だけではない。AM・PM会社が課題とする“ 業務フローの最適化” を解決することにもある。代行サービスの基本項目「レポート作成」、「会計記帳業務」に加え、「事務方の業務マニュアルの再整備」、「ローカルデータのフォルダ体系見直し」、「記帳ルールの整備」、「帳票類やレポート書式の整理・統一化」など、DX導入の基礎となる体系づくりを根元から最適化するサービスも提供しているのだ。「DXなどで業務効率化を進めようにも、何から始めればいいかわからない企業はとても多い。そこでDXの前準備として当社サービス導入をお勧めしている」(ASARP取締役 COO 安藤宏一氏)。

“丸投げ”にも、“一部分”にも対応

 ASARPのサービスをより享受できるAM・PM会社は、新規参入または事業規模15人未満の企業である。バックオフィス業務を“ 丸投げ”(レポーティングにかかる業務全般の代行)することも、一部(会計・数字面の見直し、ソフトウェアへの入力代行業務)を委託することも柔軟に対応できる。
 サービス開始に必要な手続きは業務範囲の決定と業務内容の引継ぎで、最短1か月で開始可能になる。対応エリアは全国。
業務は原則リモート対応だが、組織における情報セキュリティを管理するISMSを取得するなどセキュリティにも細心の注意を払う。

次年度始動へ準備着々、共通プラットフォーム提供

 ASAグループでは次なる戦略として、PMレポートを起点として必要な情報を投資家向けに橋渡しする「SDG(SmartData Guidway )計画」を推進中[図表2]で、2024年度の正式サービス化を目指している。

図表2 SDG計画のイメージ

出典:青山綜合会計事務所

 計画は、ファンドAM会社からの期待の声を受け考案されたもの。「スピードを求める海外投資家からレポーティングの早期提出を要望され、完成版提出前のサマリーを可能な限り早く出して欲しいというAM会社の声を多く聞いてきた。この悩みに応えたかった」(安藤氏)。
 仮にサービス提供が実現すれば、AM、PM会社の担当者はレポートの種類、ひな形、期間や項目の選択で、各種レポートを半自動的に作成でき、また「最短、1営業日で投資家が必要な情報を取得できるようになる」(安藤氏)という。
 将来的には、不動産金融業界の全プレーヤーが活用できる共通プラットフォームとして育成する方針。一方、顧客向けには膨大な管理・運用データをビッグデータとして蓄積、匿名化して分析することで、アセットタイプや規模別、エリア別などに分け、光熱費をはじめとした各種コスト率、坪当たりの原状回復費用の水準など、投資判断の際に有益となるデータを付加価
値として提供していくねらい。
「国内/海外含め投資家の日本の不動産市場への関心は非常に強い。一方で運用の根幹を担うAM・PM会社のDXは他業界と比べて対応が困難で、人手不足も常態化している。このボトルネックを管理・会計の視点から解消することで、さらなるマーケットの拡大に貢献したい」と安藤氏は意気込みを話した。

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