当編集部が実施した「不動産AM事業者アンケート(2023年3月調査)」では、110社から回答をいただいた(昨年101社)。うち運用資産残高に関して回答した企業(104社)の合計額は37兆8,233億円であった。全体の平均運用資産残高は3,636億円、カテゴリー別では私募ファンド2,473億円、私募REIT1,038億円、J-REIT4,162億円である[図表1]。
[図表2]は全回答企業の運用資産残高ランキング上位20社である(本誌では40社を掲載)。トーセイ・アセット・アドバイザーズ(2位)、みずほ不動産投資顧問(12位)、SMBC信託銀行(25位)の急増が特筆できる[図表3]。トーセイ・アセット・アドバイザーズは、東京・大手町の大型ビル「大手町プレイス」のAM受託が大きく貢献した。みずほ不動産投資顧問は1,000億円単位の大型物件受託と親会社からの移管物件があったこと、SMBC信託銀行は大口の住居ポートフォリオのサブAM受託、商業施設およびリゾート施設の新規受託があったことが要因である。またランキングを見る限り、上位企業の多くが運用資産残高を前年から増加させていることがわかる。
[図表3]はAM会社の取扱商品に関する割合をみたもの。私募ファンドを取り扱うAM会社の割合は2023年で68.2%と、前年より2.9 ポイント増加。私募REITとJ-REITは前年と比べて若干減少しているが、さほどの変化はうかがえない。
各社が中心とする取扱商品については、運用資産残高全体では7%弱を占めるに過ぎない私募REITだが、それを取扱商品の中心とするAM会社は17.7%を占めている。
AM会社の運用スタイルは、昨年度と比較すると全体的に変化は少ない。コア型のAM会社が78.7%を占め、リスクテイク型のAM会社は12%となる。