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ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト
EV充電設備サービス「Terra Charge」導入

 ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト(KDR)は2022年11月、保有する賃貸マンション「KDX 文京千石レジデンス」(東京都文京区)で、EVベンチャーのテラモーターズが展開するEV充電設備の無料設置・運営サービス「Terra Charge(テラチャージ)」を導入した。
「都心部ではまだ希少なEV充電設備付の賃貸マンションとして、既存入居者へのサービス改善策やリーシングでの訴求策、さらには環境認証取得に向けた方策としたい」と、KDRの資産運用会社であるケネディクス不動産投資顧問のレジデンシャル・リート本部資産運用部長 横溝健氏は語る。

同氏によると、5年前にもKDX 文京千石レジデンスとほか都内2物件でEV充電用コンセントを試験的に配置したが、それらは全く利用されることがなかったという。「EV普及を見越して導入を決めたが結果的には時期尚早だった。現在はEV新車販売が増え、テラモーターズのような企業が充電イン
フラ整備を進めていることから、再挑戦のタイミングとして悪くないと判断した」。
 第2弾以降のKDR物件への充電設備導入にも意欲を示す。導入先の賃貸マンションについては平置き駐車場、充電設備を置けるスペース、EVに対するニーズの3要素を満たす物件から選定したい考え。「EVの価格水準を考えると、高所得層の多い都心部がエリアの第一候補。3要素を満たす賃貸マンションの数は、KDRのポートフォリオ中2~3割程度ではないか」(横溝氏)。
 

Terra ChargeのEV充電設備(出所:テラモーターズ)
シャッター付で2台分のスペースをもつ駐車場に
充電設備を1台配置した

 また賃貸マンション以外では、ヘルスケア施設への展開も十分考えられるとする。駅から遠くかつ駐車場の広い物件が多いためだ。
 ところでEV充電設備は、いまのところ平置き駐車場への設置がメインとなっている。そのなかでテラモーターズの取締役会長 徳重徹氏は、都内のマンションに多い機械式駐車場への充電設備導入について「二段方式や多段方式のタイプであれば技術的に可能。当社でも年内の提供開始を予定してい
る」と話す。
 また一部自治体における駐車場附置義務の特例を利用して、充電設備導入と機械式駐車場撤去を同時に行う手もあるとする。たとえば東京都江戸川区は、2022年4月に共同住宅の駐車場整備基準を一部改正、EV充電スペースを整備した場合に設置台数の2倍分だけ駐車場を整備したものとみなすようになった。
「すなわち充電設備を入れた分だけ確保すべき駐車台数を減らせるため、メンテナンスコストの少なくない機械式駐車場をなくすことにつながる」と徳重氏は期待を寄せている。

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