結婚式のための会場を一般開放地域の人に愛される施設へ
【CASESTUDY】
<前略>
2018年、最初に披露宴会場でのスイーツイベントを手がけた「青山セントグレース大聖堂」は、地上28mの尖塔があるチャペルと広々した緑のガーデンを特徴とする結婚式場。ゴシック様式の繊細な装飾が施された外観、130年の時を刻むステンドグラスなどまさに〝絵になる〞空間だ。
優雅な螺旋階段や調度品に彩られたロマンティックピンクを基調とした邸宅「グラマシースイート」(80人)、広々としたガーデンとダイニング、クラシックとハイセンスを掛け合わせた邸宅ノリータ」(110人)など特徴の異なる4つの会場を有する。
アフタヌーンティーは、結婚式の予約の入っていないいずれかの会場を使い、それぞれの会場のコンセプトと季節に合わせたテーマに沿って、2か月ごとにメニューを切り替えている。料理やスイーツを手がけるのは披露宴専属のシェフ、パティシエである。
利用時間は12時〜・14時半〜(1回2時間)の1日2回制(特定日開催)。スタンドに乗せた季節のスイーツ6種類と特製セイボリー3種類、別添えのスペシャリテ。式場内のベーカリーで焼き上げる焼きたてのスコーン2種類を基本とし、メニューはスタンダード(平日5500円)、ティーセレクション(平日6000円)、スパークリングワイン(平日6800円)、ランチセット(7000円〜)の4プランがある。
価格帯について「多くの方に足を運んでいただけるように設定しました」と同社営業推進部企画・広報吉永朱里氏。
そのうえで、たとえば「厳選された紅茶を楽しめるティーセレクションプランは90分飲み放題でゆったりした時間を満喫できます。また、オプションの『大人の贅沢メロンソーダ』はメンを半分に割り、くり抜いたなかにメロンの果肉、アイスなどを入れ、スタッフが目の前でスパークリングワインを注ぎ入れるもので、写真映えするため1万円と高額ながらお祝いのサプライズとして非常に好評です」と話す。
アフタヌーンティー会場には、特別感、贅沢感を求める10歳代からの女性たちがお洒落をして訪れ、ソファなど気に入った家具やチャペルなどを背景に、思い思いに写真を撮ってSNSにアップして楽しむ。スイーツ+食事のランチは男性客に人気で、一人で訪れる男性もいるという。
客層が全国のエリアごとで異なるのも同社施設の特徴だ。主要駅に直結した「横浜アートグレイスポートサイドヴィラ」(横浜市神奈川区)は若い女性やカップル中心、一方で「伊勢山ヒルズ」(横浜市西区)や「大宮アートグレイスウエディングシャトー/大宮璃宮」(さいたま市北区)は、30〜40歳代のママ友や家族連れも多いという。
「はじめてのアフタヌーンティー体験というお客様もいれば、以前ここで結婚式を挙げたという“卒花会”のグループも多い。知らない同士が仲良くなって集って楽しんでいる一方で『子どものパティシエ体験』などの企画では、子どもさんがイベントに参加している間、ママにはつかの間ゆったりとした時間を過ごしていただくというような、近隣の方が気軽に来られる施設を目指しています」と吉永氏はいう。
<続きは本誌にて>