森口
まず旅行ニーズは国内のお客さまを中心に近隣エリア内からスタートし、徐々に隣県など広域に拡大する流れになるでしょう。JTBではこうした動きをエリアツーリズムと呼んでいます。グローバルな人流の回復はそれ以降とみて、まずは国内旅行需要の回復に取り組む方針です。国や自治体もGo Toキャンペーンなどの諸施策を打ち出すことを念頭に、これに最大限応えられる体制を固めるとともに、地域の観光事業者の方々により質の高いサービスを提供する準備を進めている段階です。
また大きな視点では、従来、JTBとしてコンテンツを売る仕事をしてきましたが、各施設事業者の自販サイト、公式サイトから商品を購入するお客さまの動きがコロナで拡大しています。ある調査会社の調べによると、19年までは旅ナカ、着地のコンテンツを旅行会社やOTA、メタサーチ等で購入したいとのニーズが公式サイトでの購入意欲を押さえ、半数近くを占めていたものが、21年は、三密回避のために空いている時間、場所などリアルな情報を確実に把握したうえで訪れたいというニーズが亢進し、公式サイトで購入したいというニーズが逆転しています。
今後も正しい情報、旬な情報を公式サイトで取得し現地を訪れるという流れが定着するでしょうから、当社を利用して旅行に行っていただくお客さまだけでなく、地域を訪れるお客さま全般に対して、域内の多様な事業者と連携し何を提供できるかを考えています。