スタッフは医師2~4人のほか、看護師とカウンセラーが各10人前後という体制。いずれも男性スタッフが複数名在籍しているのも特徴だ。
メニューは、脱毛、スキンケア、薄毛、ワキガ・多汗症、痩身など男性が抱えるあらゆる悩みに対応。痩身だけでも内臓脂肪、皮下脂肪、腹直筋肥大など、3つのメニューを用意する。治療室には脱毛用をはじめ、シミやたるみをとる各種レーザー、ワキガ、薄毛、ニキビ用のほか、皮下脂肪を凍結させて減らす痩身用機器など、医療機関ならではの機器を多数揃える。
治療費は、ヒゲ脱毛完了コース7万4,800円、ニキビ治療・ニキビ跡治療9,800円、メディカルダイエット2万6,800円、わきが・多汗症治療6,900円(月額・60回払い)などで、ヒゲの脱毛目的の患者が過半数を占めるという。
「来院動機は、ヒゲが濃いという外見上のコンプレックスを抱えている方がほとんどですが、なかには毎日のヒゲ剃りが面倒という方や剃刀負けにより痛々しいお顔で来院される方もいらっしゃいます。コロナ禍でマスク着用が常態化したことから、ヒゲを剃らない方が増加した一方、『この機会に脱毛を』と考える方も多いようです」(稲見氏)。
メンズエステでも脱毛は人気メニューの1つだが、ゴリラクリニックのような美容医療との違いはどこにあるのか。「エステサロンの脱毛は一時的な『減毛』で、一定期間が経過するとまた毛が生えてきます。医療用のレーザー機器を使い永久脱毛まで可能なクリニックの脱毛とは根本から違うのです。まして、ヒゲは体毛のなかでも太く硬い、われわれ医師でも手こずる部位ですから、エステでは期待した効果が得られないとして、当院にお越しになる方も少なからずいらっしゃいます」と、稲見氏はエステサロンとクリニックの明確な違いを強調する。
昨年の1度目の緊急事態宣言時(20年4、5月)こそ患者数は一時落ち込んだものの、6月以降は回復、現在はコロナ前を上回る来院数を数え、19院合計で1日1500人、1か月で4万5000人が来院。予約待ちが続出するほどの盛況だ。
こうした盛況について稲見氏は、「男性はそもそも自身の顔を客観的にみる機会は女性に比べあまり多くありません。しかし、コロナ禍でのオンラインミーティングなどにより、自身の顔を見る機会がふえたことで、『自分はこんな顔をしているのか!?』とショックを受け、自身の外見をどうにかしたいと考える方がふえました。また、在宅勤務により通勤の負担がなくなったことでコロナ太り"に悩む人も増加傾向にあり、医療痩身を希望される方がふえたこともここ1年での傾向です。また、この1年、旅行や外食、レジャー消費を控えた分が『自分磨き消費』に向かったのではないでしょうか」と話す。