――編集部
葬祭業の経営動向アンケート調査2024【抜粋版】
月刊フューネラルビジネス編集部では、この8月、「葬祭業の経営動向アンケート調査2024」を実施した。本誌読者をはじめ、全国の専門葬儀社・冠婚葬祭互助会・JA葬祭など1,000社を無作為に抽出し、112社から回答を得た(回収率11.2%)。今回の調査では、緩やかながらもwithコロナへと動き出した2022年と5類移行となった2023年とでは、どのような相違が生じたのかに焦点を当て、どれだけ復調傾向にあるのか検証を行なった。本誌より調査結果を一部抜粋して紹介する。
アンケート調査の概要
[調査名]葬祭業の経営動向アンケート調査2024
[実施期間]2024年8月9日~26日
[調査対象]本誌定期購読者などから葬祭事業者をランダムサンプリング
[調査対象数]1,000社
[有効回答数]112社(回収率11.2%)
[調査手法]対象企業直接記入方式
図表1は、葬儀部門の売上げをみたものである。これによると、2023年中の葬儀部門売上げが「増加」と回答したのは、全体の76.7%(8.9%+32.1%+35.7%)と、施行件数の回復とともに軒並み上昇傾向であったことがわかる。アンケート回答企業のなかには、「過去最高の売上高を記録した」とのコメントを付記する事業者も複数あった。
一方で、「横ばい」という回答が11.6%あった。そして「減少」とする企業は全体の11.6%(8.9%+2.7%)あるものの、22年の32.7%に比べれば21.1ポイント減少していることから、業界全体として回復基調にあることがうかがい知れる結果となった。
次に返礼品部門の売上げについてみてみる。図表2は、2022/2023年の返礼品部門の売上げを比較したものである。これによると、22年に「増加」と回答した事業者は計4.7%(4.6%+6.4 % +3.7 %) に対し、23年は45.9%(5.5%+19.3%+21.1%)と31.2ポイントふえている。一方で、「横ばい」も9.1ポイント増、さらに対前年比「99~90%」も5.5ポイント増加するなど、全体的には「増加」傾向ながらも、「横ばい」「減少」ともにふえているのが気になるところだ。
次に飲食部門の売上げ状況をみてみる(図表3)。昨年9月号では、「飲食部門の復活は2023年以降に期待か」と記したが、まさに23年は飲食復活の兆しがみえた1年だったといえそうで、「増加」との回答は53.8%(11.3%+17.0%+25.5%)と過半数を超えた。一方で、「横ばい」も22年の8.4%から23年の22.6%と14.2ポイント増と大幅にふえている。以上のことから、22年中に回復基調にあった地域においては、会葬者数が平準化して「横ばい」となったのでないかと推測される。
月刊フューネラルビジネス11月号では、売上げ(葬儀、返礼品、飲食)の地域別の調査結果のほか、年間施行件数や会葬者数の変化、一日葬・直葬比率の変化などの調査結果ついても公開しています。