道の駅は制度開始から30年が経ったいま、1,213施設が登録されている(2024年5月現在)。道路の休憩施設として始まり、各地域のニーズや立地状況に応じて地域センターや防災・観光の拠点などまでその役割は拡大・多角化。いまだ新規施設の開発が続いている一方で多くの施設がリニューアルのタイミングを迎えている。さらに、近年はPPP等公民連携の仕組みを活用しながらまちづくりの地域機能の一つとして道の駅を開業する事例もふえている。
他方で、制度開始以来閉鎖となった道の駅はわずか4件にとどまるが、機能縮小や補助金の活用でしのいでいる不採算施設も少なくなく、補助金ありきの運営計画で地域の財政を圧迫している事態も一部で起きている。より適正なハード設計とソフト戦略の工夫が求められる。
本書では道の駅の業界動向を押さえながらその価値と役割を確認しつつ、独立採算を叶えるハード・ソフトのあり方を詳解する。
1.施設数、立地特性
(1)道の駅の歴史・制度・役割、認定要件
(2)施設数
(3)立地特性
2.道の駅の機能の変化
(1)機能の多様化と役割の変遷
(2)市民ニーズを叶える場としての役割
(3)観光拠点としての役割
(4)まちづくりの核としての役割
1.立地環境別適正規模
(1)道の駅の歴史にみる施設規模
(2)拡大の背景と現在のトレンド
(3)施設規模に影響する需要把握の重要性
2.事業スキームと推進プロセス
(1)整備スキーム
(2)PPPの考え方と各手法
3.PFIを導入した開発
(1)PFIの導入と具体的な事例
(2)PFIのメリットとデメリット
4.施設設置目的の設定
(1)戦略→要件→構造→骨格→表層 の5段階モデル
(2)ターゲット設定
(3)商圏設定
(4)MD構成
(5)3C/4P
5.導入機能の選択
(1)道の駅に導入されている機能
(2)目的に応じた機能の優先付けの重要性
6.立地
(1)立地診断の代表的な項目
(2)対面交通量と立ち寄り率の関係
(3)対面交通量の測定方法
7.競合施設
(1)類似施設把握の重要性
(2)類似施設の属性と特徴
(3)類似施設把握の方法
8.市場規模の算出
(1)2つの試算方法(ミクロ手法とマクロ手法)
(2)需要予測から算出される施設規模
9.収支計画
(1)売上予測の算出方法
①商圏内獲得シェア ②通行量での売上想定
(2)収益部門ごとの初期投資とランニングコスト、資金繰り計画
10.指定管理料
(1)指定管理料の考え方
(2)指定管理料の削減スキーム
11.売上げの考え方
(1)ロジックツリー設置絵
(2)各指標をアップさせる施策
12.適正駐車台数算出
(1)算出方法
(2)臨時駐車場の必要台数
13.施設レイアウト
(1)機能別適正坪数・席数設定
(2)カテゴリー売場面積
(3)出入口配置
1.組織体制
(1)運営組織体制
(2)各ケースのメリット・デメリット
2.人材教育
(1)マインドセット
(2)関係性の好循環モデル
3.コスト管理
(1)仕入原価/人件費/水道光熱費/業務委託費(施設維持管理費)
(2)原価や人件費の見方
(3)原価率をコントロールする「売価設定」
4.集客戦略
5.商品開発
(1)PB商品開発・飲食メニューの名物商品化
(2)メニュー構成(飲食)
(3)ファストフードの強化(購買動機付加)
6.情報発信
(1)新設事例|道の駅とよはし(愛知県豊橋市)
(2)リニューアル事例|道の駅しかべ間歇泉公園(北海道鹿部町)
(3)リニューアル事例|道の駅おばま(福井県小浜市)
(4)PFI活用事例|道の駅むつざわ(千葉県睦沢市)
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