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レジャー・集客施設のSNSコミュ二ケーションの実態

『レジャーランド&レクパーク総覧2024』調査結果

公式SNSの開設はTwitter(現X)、Instagram、Facebook が中心

 『レジャーランド&レクパーク総覧2024』(綜合ユニコム㈱刊)が全国の主要なレジャー・集客施設を対象に行なったアンケート調査によると、レジャー施設・ミュージアムの公式SNS※の開設状況は、Twitter(現X)とInstagramが最も多く75.2%、次いでFacebookが71.9%、YouTubeが52.9%の施設で開設していた。LINEは22.3%、TikTokは5.5%で少数である。その他にはnote、ニコニコ生放送、動物に特化したTierなどがあげられた。
 開設しているSNSのなかで最も注力しているものは、Twitterが最も多く45.7%、次いでInstagramが42.0%となっており、この2つのSNSが特に重視されているといえる。その特性として、タイムリーに投稿しやすいこと、拡散しやすいことなどがあげられる。InstagramはTwitterやFacebookと比較すると後発だが、“映える”画像で視覚的に訴えることにより幅広い層に拡散しやすく、利用が急速に拡大した。

※ テーマパーク・遊園地・動物園・水族館・ミュージアム・フラワーパーク・大規模公園・アウトドアパーク等に調査を実施。施設で開設している公式のSNSを対象とした。所属する地域の自治体や団体、企業のSNSで情報発信しているものは除く

開設している公式SNS

通常業務と兼任の担当者が運用し、週に平均2回の投稿が多い

 SNSの管理体制は、通常業務と兼任の担当者が運用している施設が多い。専門部署、もしくは専任担当者を設けて本格的に運用している施設は10%程度にとどまっているが、たとえば「東京ディズニーランド・東京ディズニーシー」「レゴランド・ジャパン・リゾート」「ナガシマリゾート」「東武動物公園」「東京国立博物館」などの大型施設のほか、情報拡散を重視している小規模施設もみられる。特に担当者を決めていない施設は少数であり、兼任でも担当者を決めることで、ある程度の管理体制は維持しているといえる。

SNSの管理体制

 最も注力しているSNSにおける投稿頻度は、「1週間に数回」が最も多く、半数以上を占める。次いで「毎日」数回の投稿になっている。「月に数回」以下の施設は少数で、おおむね週間性以上の投稿になっている。投稿回数について、週に数回投稿する施設は1週間に平均2.9回、毎日投稿する施設は1日に平均1.9回である。なお、イベント開催日など、特定の1日に数多く投稿する場合もある。

最も注力している公式SNSの投稿頻度    公式SNSの投稿頻度別投稿回数

 SNSの運用に際して決めているルールについては、施設によってさまざまである。そのなかでも「決められた時間」もしくはユーザーの多い時間帯に定期的に決められた回数を投稿するようにしている施設が比較的多い。それに次いで「トンマナ(統一感のあるテイスト、キャラクター設定など)・言葉遣いに気をつける」、投稿する前に「複数人で確認する」施設が多い。そのほか、所属している自治体・団体もしくは施設の「SNS運用ポリシーにのっとる」「公序良俗に反する不快な表現・差別的な表現をしない」などがあげられた。
 施設によってSNSに対する考え方が異なり、民間施設ではファンエンゲージメントを重視しているのに対し、公的施設では主に公平性やトラブル回避を重視している傾向がみられる。そのため、利用者の投稿に対しては丁寧に反応する施設がある半面、一切返信しないことをルールにしている施設も一定数存在する。

SNSの運用ルール

積極的に反応している施設も3分の1以上。動物や花の画像、印象的な風景の反響大

 SNSでのコミュニケーションのレベルについて、基本的な拡散レベル「公式SNS の投稿に寄せられたコメントには『いいね』を押したり、拡散したりしている」は33.5%、ファンエンゲージメントを促進するレベル「公式SNSの投稿に寄せられたコメントには返事をしている」(=リプライ)は24.2%、積極的にファンを組成するレベル「個人や企業のSNSなどに書き込まれた自施設に対する投稿にリアクションしている」(=エゴサーチで反応)は19.9%となっている。リプライ、エゴサーチで積極的に反応している施設は3分の1以上となる。また、SNS上の「アンケート機能などで顧客ニーズを聞く」など、自社のマーケティングに活用しているのは9.3%である。「特に何もしていない」施設は45.6%。公的施設を中心に返信しないルールを設定している傾向がある。

 ファンエンゲージメントの観点からすれば、好意的なコメント、悪意ではなく不満を述べているコメント、いずれにも丁寧に反応することが望ましい。自分の投稿に対して施設から反応があることはうれしいもので、カスタマー・ロイヤルティを高める効果がある。
 反響の高かった投稿、集客につながった投稿は、やはり動物関連、花関連が多い。紅葉や花火などその施設独自の印象的な景観、降雪した園内の風景、普段は見ることができない光景(バックヤードなど)も反響がある。閑散とした様子も逆に興味をもたれている。また、何段階かにストーリーをもった投稿、その時の人気コンテンツとの関連づけ、投稿のユーモア、タイミングなどの工夫によっても反響が大きくなる。

SNS上でのコミュニケーションのレベル

レジャーランド&レクパーク総覧2024

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