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――丸井グループ

衣食住をマルイと暮らす安心感
Z 世代向けシェアハウス

MARUI TOCLUS吉祥寺

        撮影:太田拓実

店舗隣接の邸宅をリノベ
Z世代の経済不安に寄り添う

 丸井グループは、Z世代(1990年代後半~2000年代生まれ)を中心とした“将来世代”がターゲットのシェアハウス「MARUI TOCLUS(マルイトクラス)吉祥寺」(東京都武蔵野市)を2021年3月に開業、運営している。グループの賃貸住宅管理会社マルイホームサービス(MHS)が、丸井吉祥寺店に隣接した旧邸宅(地上4階建て)を借り上げてリノベーションしたもの。
 コンセプトは名称の通り「マルイと暮らす」。丸井グループは小売業を通じた「衣」「食」領域の事業に加え、「住」領域の事業も強化しはじめている。そのなかで将来世代は、経済面や一人暮らしへの不安が大きいほか、モノの所有へのこだわりが少なく、サステナビリティへの関心が高いことに着目。彼らをターゲットにしたリーズナブルかつ利便性の高いシェアハウスを企画することを決めた。
「丸井の店舗と直結しているという唯一無二の特色のほか、エポスカードや各種サービス・イベントなどを活かし、入居者に寄り添う、すなわちマルイと暮らすことを念頭に置いている。既存建物のリノベーションを選んだのも、丸井グループのサステナビリティへの取り組みに共感してほしいという意識があるため」とMHS 事業企画部 リーダーの木之下雪代氏は説明する。

ハード・ソフト両面から
衣食住をフルカバー

MARUI TOCLUS吉祥寺の特徴をみていくと、まず先述の通り丸井吉祥寺店とつながる入居者専用通路が4階にあり、入居者は雨風にさらされることなく買い物に行ける。
 設備面では、4階に屋外テラスと一体の共用キッチン「MARUI TOCLUSKITCHIN」を用意。1階にはコインランドリー「MARUI TOCLUS LAUNDRY」と個室型ワークスペース「MARUITOCLUS WORK」を配置、いずれも入居者以外の利用を可能にしている。
 居室は全43室(広さ7.2~12.4 ㎡)を確保。丸井グループらしさを表した要素として、店舗で使用している折り畳み式コンテナをもとにつくられたオリジナル収納ボックス「トクラスボックス」を各居室に用意。居住空間と収納機能の両立につなげている。
 入居者への特典もいくつかある。まず店舗内にあるスタッフ用のリフレッシュラウンジに無料で入れ、休憩や食事に利用できる。また店舗内の一部テナントと提携した優待サービスのほか、グループのレンタルドレスサービス「DRENi」の優待利用が可能。シェアハウス内で定期開催される試食会などのイベントにも参加できる。
 そして賃料支払いはエポスカードを通じて行う(入居開始時点での加入が必須)ため、入居者は毎月ポイントを貯められ、ポイントを店舗やECサイトでの買い物に充当できる。加えて丸井グループの家賃保証サービス「ROOM iD」や家財保険「ROOM GUARD」も利用できる。

MARUI TOCLUS吉祥寺

テラス(左)と居室(右) 撮影:太田拓実

インスタで訴求、入居申し込みへ

 MARUI TOCLUS吉祥寺の賃料は、5万9,000~7万4,000円のレンジで、全室平均だと6万円台中盤の水準。周辺の1R物件相場をベースに、そこから価格を抑えたイメージ。
 稼働率の数値は非開示だが、開業以来おおむね高水準とのこと。入居者層はターゲットの将来世代が多くを占めており、なかにはセカンドハウス利用の50代もみられるそうだ。
 将来世代向けの物件らしく、ブランドの情報やイメージの発信にはInstagramを活用。写真や動画などビジュアルを重視した情報発信を行い、入居申し込みにつなげている。
 丸井グループでは、MARUI TOCLUS吉祥寺以外にも賃貸住宅の企画を続々と打ち出している。2022年3月にはワンルーム賃貸住宅「MARUI TOCLUS西荻窪」(東京都杉並区・27室)を開業し、トクラスボックスやDRENi、エポスカードなど吉祥寺にある設備・サービスの一部を採用。同年6月には、中古住宅流通プラットフォーム事業およびワークプレイス事業のツクルバと共同でワンルーム賃貸住宅&シェアハウス「co-coono(コクーノ)上北沢」(同区・19室)を開業、外部利用も可能なコワーキングスペースを設置している。
「今後も丸井グループとの接点が少しでも増えるような賃貸住宅企画を考えていきたい」とMHS事業企画部 課長の渡辺拓朗氏は語っている。

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