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GRESBデータ報告の業務負担を最大8割減
東京ガスの不動産業向けESG支援クラウド

 東京ガスは、GRESBなどESG関連報告業務の負担を軽減するクラウドサービス「サステナブルスター」の提供を9月より開始した。AM会社やデベロッパーをターゲットに導入を進めていく。
 不動産業界でESGへの関心が高まるにつれ、GRESB参加者数も年々増加している(2022年は前年比+13の122)。その一方でGRESBは物件ごとのエネルギー・GHG・水・廃棄物データ(数千~数万点)の取得・集計が必要で、排出係数設定や熱量換算、Scope1~3分類などにより、多大な業務負担が発生していた。またPM・BM会社やテナントなどとのデータのやり取りをメールやExcelで行うには限界があった。
 サステナブルスターは、ユーザーが電気、ガス、水道などの請求書データ(会社名、契約種類、使用量)を入力するだけで、エネルギーシートやGHGシートを自動生成する(排出係数設定や熱量換算、Scope1~3分類もすべて自動化)。データ入力画面はExcelに極力近づけているため、従前のフォーマットに慣れたユーザーでも違和感なく使える。またクラウドサービスであることから、各関係者がデータを同時に閲覧・編集できる(ユーザーアカウントごとに閲覧・編集可能な物件を設定可能)。

サステナブルスターの入力画面

会社名や契約種類を選び、毎月の使用量を入力するだけで自動算出できる
出所:東京ガス

「Excelや他社製品と比べ、シート作成時間を5~8割短縮できると試算している。省エネ法の定期報告書対応をベースとする多くの他社製品と違い、GRESB報告対応を起点としたシステム設計が特色」(カスタマー&ビジネスソリューションカンパニー 法人営業本部 ソリューション共創部 産業調査室課長代理の新谷圭右氏)。
 利用料金は月額7万5,000円からの基本料金とオプション料金(レポート作成代行、省エネ法対応など)という体系で、「業界最安値水準を追求した」と同氏は話す。

新谷圭右氏
カスタマー&ビジネスソリューションカンパニー
法人営業本部
ソリューション共創部 産業調査室 課長代理

 サービス開始からほどなくして数社の導入が決定したほか、サービス説明のため開催されたウェビナーでも120名超程度が参加するなど大きな反響が出ている。
 サステナブルスターは機能のアップデートも控える。2022年度内から東京ガスを通じ供給される電気、ガスの契約データは自動で入力されるようになる。請求書データ入力の手間すら省けるほか、専有部のデータを取りにくかった住居系アセットでも容易にエネルギー消費量を把握でき、データカバレッジやスコアアップに貢献できる。またGRESB以外の報告制度(省エネ法・温対法、GHGプロトコル、SBT、CDPなど)にも順次対応していく予定だ。
 そのほかサステナブルスターを起点に、脱炭素・省エネやGRESBスコア向上のためのエネルギー関連ソリューション提供もニーズに応じて手がけていく。
「ESG関連報告は年々複雑化する傾向にあり、早急に対処する必要性が高まっている。不動産業界に特化したESG支援サービスとして、担当者の手助けになれたら」と新谷氏は結んでいる。

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