1990年代の開業ラッシュにより急速に施設数を伸ばした温浴施設は、岩盤浴や炭酸泉などさまざまな人気アイテムを取り入れることで発展してきました。しかしながら近年はオーバーストアに伴う競合の常態化や客単価の低迷など、温浴ビジネスを取り巻く環境は厳しい状況が続いています。
新規出店も2011年以降、減少傾向(『月刊レジャー産業資料』調べ)にあり、温浴事業のライフサイクルは成熟期の真っ只中にあるといえるでしょう。
一方で、お風呂文化が根づいたわが国において、温浴施設は年齢・性別を問わず人気の高いレジャー施設として定着していますが、ストレスを感じることの多い現代社会にあって、癒し・健康・レクリエーション機能をもつ温浴施設の役割はいままで以上に注目度が高まっています。
こうしたことから、不採算店舗の再生による新規プレイヤーの参入や既存事業者の多店舗展開、開発意欲の高い企業による新規開発がみられるほか、温浴機能を盛り込んだ再開発・複合開発計画も話題となっています。
本書では、温浴マーケットの状況を整理するとともに、現在の実状に即した温浴施設の新規開発計画および再生・リニューアルに必要な各種指標に基づき、その考え方・手法について解説いたします。また堅実に集客・収益を得ていくための管理運営および営業手法についても詳解します。
温浴ビジネスに新規参入する事業者の方々のみならず、既存事業者および業界関係者の皆様にご購読をお薦めします。
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