■バックナンバー
■媒体概要
|
月刊シニアビジネスマーケット 2014年9月号 |
定価:本体3,400円+税 |
[特集]
デイサービス再考
―― 問われる機能と役割
かつてない見直しが進む、次期介護保険制度改正。なかでも「デイサービス」は、予防給付の市区町村における地域支援事業への移管、小規模デイの見直しと再編、それに伴う総量規制など、最も激変に見舞われる分野といえる。
こうした改定の背景には、全国4万弱にまで伸びた施設の急増と、収支差率の高さがある。低投資・高収益事業として異業種からの新規参入が相次ぐ半面、その存在意義が明確でない施設もまたふえるに至った。今度の改正では、その存在があらためて問われることになる。要支援を主対象とするデイは地域支援事業の場として、地域の実情にあった提案をどう行なうのか、小規模デイは地域密着型として存続するのか、定員をふやし通常規模型へ移行するのか、あるいは大規模型・通常型のサテライトとして生き残りを図るのか、さらには、小規模多機能型居宅介護施設への転換を図るのか――現段階では、今後の方向性の選択は、報酬が明確になってから判断する、との事業者が少なくない。
報酬の行方はもちろん重要な検討事項だが、あらためていうまでもなく今後は従来の漫然とした「お預かり」型では生き残ることはむずかしい。より重要なのは「認知症対応」「重度者対応」「生活行為力向上機能訓練」「地域連携拠点機能」など、地域包括ケア実現に向けて、デイが本来担うべき「機能と役割」をそれぞれが獲得していくことにあることだけは確かだろう。そのハードルはけっして低いものではない。が、そのぶんデイサービスという事業には多様な可能性が広がっているとみることもできよう。
本特集では、大きなターニングポイントを迎えるデイサービスの今後のあり方について、識者、事業者、保険者などへの多角的な取材を通じ、あらためて考えてみたい。
[未来展望]
■地域包括ケアシステムのハブとして
デイサービスが果たすべき4つの機能を提言
上智大学 総合人間科学部 教授 栃本 一三郎氏
[オピニオン]
■「おもてなし型」から「自立支援型」へ
デイサービスに求められる運営力と専門性
日本化薬メディカルケア
■医療・看護・リハビリ・自立支援で先行、
制度改正を先取り、ビジネスモデル確立
在宅療養支援 楓の風グループ
■「地域包括ケア病棟」の受け皿としても機能する
リハビリ専門クリニックのあり方
医療法人涓泉会 山王リハビリ・クリニック
■デイサービスから小規模多機能への転換
――移行のタイミングと、求められる運営力・介護力
全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会
[保険者に聞く]
■予防給付の地域支援事業への移行と備え
厚労省のモデル事業をベースに「新しい総合事業」構築へ
東京都荒川区
[事業者に聞く――改正への備え]
■“まちのリハビリ屋”として
保険外のサービスニーズにも応えていく
ポシブル医科学
■制度に依存しない体質をさらに強化
介護のゲートウェイとして地域一番店目指す
イー・ライフ・グループ
■小規模多機能への移行・サテライト化を推進
訪問看護を加えた「複合型サービス」も視野に
日本介護福祉グループ(茶話本舗)
■個別機能訓練型デイサービスに全面転換、
理学療法士、作業療法士の配置を強化
ツクイ
■大規模型ならではの広さを活かし
サービス提供時間にメリハリをつけ難局を乗り切る
シダー
■長年培った自立支援プログラムを再強化
認知症デイ、保育事業など多角化も推進
ケアパートナー
■国内最大級のデイサービスセンター
併設ジムを活用し自費サービス強化にも挑む
エムダブルエス日高
■自立支援プログラム「バスアセスメント」で
入浴型デイの存在意義を明確化
いきいきらいふ
[インタビュー]
■転換点にあるいまこそ、
リハビリデイの「声」を1つにして届けたい
一般社団法人 リハビリ・デイサービス協会に聞く
[特集関連レポート]
■ほっとステーション
制度改正を見据え質の高い機能訓練提供をシステム化で実証
介護度の改善強化を図る
■技研商事インターナショナル
待ったなし!デイ事業がいまこそすべきことは
大改正を乗り切るためのマーケット分析・支援ツール
■酒井医療
マシンと管理システムの連動を強化
介護予防サービスの質向上をサポート
■デイサービスFC企業&関連機器・システムガイド
[CLOSE UP]
■チャームスイート石神井公園(東京都練馬区)
チャーム東京進出第1号
良好な立地環境活かす設計とアートを軸とした付加価値で
新たなフラッグシップに
[今月の話題]
■厚労省、介護保険事業計画策定に向け、
地域包括、在宅医療介護連携の指針示す
――小規模デイは「18人以下」、「新しい総合事業」のガイドラインも提示
■生き続ける努力「エイジング」を
医療・福祉・住宅から多面的に検証
――「第1回エイジング・サポート・セミナー」が開催
[新連載]
■楓の風的
機能強化型訪問看護ステーション運営論(1)
在宅療養支援 楓の風グループ 代表 小室貴之
■発見![NEW]シニアBiz (1)
――保険外に潜むビジネスチャンスをつかめ
ラディック 西川立一
[連載]
■よくわかる! 介護保険制度改正[最前線](2)
リスクとチャンスの捉え方
小濱介護経営事務所 小濱 道博
■経営が元気になるクスリ (2)
タッグ 原田匡
■介護事業のリスクマネジメント
続・こうすれば成功する事故防止の秘訣
事例から学ぶ原因分析と再発防止策(6)
[DATA FILE]
■都道府県別有料老人ホーム総施設数ランキング
■主要有料老人ホーム事業者総施設数・居室数ランキング
■都道府県別・サ高住総件数・総戸数、特定施設登録件数
■都道府県別[介護保険3施設]受給者数一覧
[News Navi]
◎神奈川県小田原市に重度者・がん患者向けのサ高住開設
◎コープやまぐち、温泉付複合福祉施設を15年秋開設へ
◎生活科学運営、神戸市に14棟めとなる「ライフ&シニアハウス」開設
◎ベネッセスタイルケアが住宅型有老に併設して学童クラブをスタート
◎ルネサンス、リハビリ特化型デイの10カ所めを東京・高島平に開設
◎長谷川興産がストレッチ主体の新業態リハビリデイを開設
◎日看協、多機能・高機能型訪看ステーションの拡充・評価要望書
◎ニチイ学館、中国全土における介護事業展開で現地法人と合弁会社設立
◎医療法人タピック、沖縄県内の医療観光事業を強化・拡充へ
◎山万と東芝ソリューション、健康シニア向け在宅サービス提供で事業連携
◎東急セキュリティ、緊急通報から葬送支援までの「ずっと安心パック」開始
◎UR都市機構と松竹芸能、健康増進プログラムの実証実験
◎日本介護ベンチャーコンサルティング、高齢者住宅の再生・支援事業開始
◎ウエルシア介護サービスが埼玉県白岡市に医療連携強化型サ高住
[Monthly Watch]
◎未届け有料老人ホーム、1年で倍増。
厚労省「有料老人ホームフォローアップ調査(第5回)」 |
|