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月刊シニアビジネスマーケット 2011年7月号 定価:本体3,105円+税

[特集]
「入居一時金」問題の解き方
 ──新・高齢者住まい法を見据えて


 有料老人ホームの「入居一時金」に対する風当たりが強まっている。明確な規定が契約書や重要事項説明書になかったり、規定はあっても入居者本人や家族に対して十分な案内がなかったりするなど、事業者の説明責任が果たされていないとの主張だ。さらには、初期償却が著しく高額(高率)で入居者にとって不利益、との指摘もある。
 国会で審議中の老人福祉法改正案でも、権利金は受領できないとの項目が新設される見込みで、新たにスタートするサービス付き高齢者向け住宅も、賃貸借契約を基本としている。こうしたことからも、根拠のあいまいな入居一時金や権利金などが今後、容認されにくくなることは明らかである。
 有料老人ホーム事業者はいまこそ、入居一時金が抱える課題を明確化し、解決に向けた道筋を探るべきときだ。その大原則は、今後、一大マーケットとなる「団塊世代」をはじめユーザーの納得を得るべく、透明性と理論的裏付けを高めていく努力である。
 本特集では、新たにスタートするサービス付き高齢者向け住宅が賃貸借契約を基本としていることも踏まえ、入居一時金や利用権方式をめぐるさまざまな論点を整理することで、今後の有料老人ホーム事業のあり方を考える。これを出発点に、活発な議論と十分な検討を通じて、問題解決に向けたきっかけとなることに期待したい。

[法解説]
「サービス付き高齢者向け住宅」等の入居契約に関する法的留意点
 矢田尚子
 白鴎大学 法学部 准教授

[インタビュー/入居一時金のメリットと課題]
「終の棲家」としての安心を担保するうえで
 入居一時金方式は有益な仕組み
 市原俊男氏
 全国有料老人ホーム協会 副理事長

[入居一時金設定のポイント]
高齢者住宅の「入居一時金」設定とリスク管理のポイント
 三重野 真
 荒井商店 シニアライフ&メディケア事業部 取締役事業部長

[老舗事業者からの警鐘]
高齢者住宅における経年変化と平均余命、償却年数設定の考え方
 岩城隆就
 さんわ 代表取締役社長

[賃貸借契約上のポイント]
賃貸借契約で備えておきたい10のチェックポイント
 向井幸一
 シルバーライフネットワーク 代表取締役

[DATA]
課題山積する高齢者住宅の契約・生活支援サービスの実態
 ──シルバーサービス振興会の調査報告書から



[今月の話題]
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中銀のシニアマンション、新たな資本注入で再投資に弾み

上昇基調に入る介護大手事業者の2011年3月期決算

地域包括ケアの実現をテーマにケアマネジメント学会研究大会が開催

[CLOSE UP]
聖隷藤沢ウェルフェアタウン(神奈川県藤沢市、聖隷福祉事業団)
 「多世代交流」を掲げる
 4万uのまちづくりで
 有料老人ホーム、特養など
 複合高齢者施設を開設



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[連載]
高齢者の行動から考える環境・技術・ひと・数字
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