地方不動産会社の成長戦略と地域活性化のための不動産流動化・証券化研究セミナー  

  

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 【プログラム&タイムスケジュール】

13:00〜13:30 【基調講演】
T.国土交通省の取り組み「地方における不動産証券化市場活性化事業」
 1.「地方における不動産証券化市場活性化事業」の目的
  ● 土地市場、不動産市場の活性化のために、なぜ不動産証券化が有効か
  ● 地方における不動産証券化の可能性−地域活性化やまちづくりのツール

 2.平成19年度事業の概要
 3.平成20年度の取り組み予定
  ―地方不動産の証券化への取り組みが、地方不動産の活性化を実現する


講師: 
国土交通省
土地・水資源局・土地政策課 土地市場企画室
バブル崩壊以降の地価下落により、「土地神話」が崩壊する中で、土地市場は実際の土地の利便性や収益性を重視したものに変化している。土地・水資源局土地政策課土地市場企画室においては、そうした状況を受け、「所有から利用へ」の理念の下に、土地税制の見直し、地方証券化市場の拡大、土壌汚染問題への取り組みや定期借地権制度の普及促進など、土地の有効利用を実現し、円滑な土地取引が行われるよう土地市場の条件整備を進めている。


■国土交通省「地方における不動産証券化市場活性化事業」
国土交通省が地方不動産の証券化を通じ、地域活性化を目指す平成19年度事業。事業内容は、不動産証券化手法に関するノウハウの蓄積と人材育成のため、地方不動産関連事業者が主催する講習会の講師謝金等を支援し((財)不動産流通近代化センター委託)、また、具体的に証券化に取り組む事業者に対し専門家によるアドバイスを行うほか、不動産証券化の実施過程に関する報告書や関連書類一式の作成に係る費用を支援する((財)日本不動産研究所委託)。国土交通省は、今後組成を検討する事業者が参考に出来るよう、事業に参加した企業が提出した報告書と関連書類一式を公開する。
なお、国土交通省は平成20年度も引き続き地方の不動産証券化市場の活性化に向けて、ノウハウの蓄積と人材育成のための支援を行っていく予定。同事業に参加する地方不動産企業を広く募り、多くの事業者の参加のもと、地方不動産証券化事業を推進していく。
  <事業の全体概要図>
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13:40〜15:00 【証券化・流動化の基礎講座】
U.地方不動産会社が、不動産流動化・証券化に取り組むための条件
 1.地方都市での不動産証券化の意義とは何か
  ● 不動産流動化・証券化とはなにか―地方都市での組成の条件/メリットとデメリット
 2.地方不動産企業が証券化を行うための5つの要件
  ● 物件・・・どのような物件が証券化できるのか
  ● 資金調達・・・地元金融機関といかに関係づくりを行うか
  ● 証券化のスキームとビークル
  ● 信託設定(困難な場合の手法、ほか)
  ● 物件の収益性の維持・向上のポイント

 3.金融商品取引法ほか制度的な問題への対応
 4.国土交通省の地方における不動産証券化市場活性化事業に基づく先行企業の取組み



講師: 
寺嶋 峻
エステートリンク梶@主席コンサルタント
てらしま・たかし●勧業不動産鰍経て、三井不動産販売鞄社、「三井のリハウス」を立ち上げる。82年初代海外事業室・海外事業課長兼米国三井不動産販売副社長、わが国初の米国不動産投資コンサルティングを手がける。85年退社後し渡米、87年ロサンゼルスにてTerraFM,Inc.〈テラフィナンシャルマネジメンツ〉設立。日本の法人・個人の対米不動産投資コンサルティング、AM/PMスーパーバイズに従事。2002年不動産ソリューション、ファンドアレンジメント等を行なうエステートリンク且謦役、04年代表取締役社長就任。7年社長職を後任に譲り、現在は主席コンサルタントとして活躍中。丸八ファンド組成にはアレンジャーとして参画。


15:05〜16:20 【国土交通省事業参加による第一号組成「丸八ファンド」事例研究】

V.丸八不動産(静岡県浜松市)のスキーム組成
  丸八ファンド賃貸マンション「アートピア有玉南」
 1.丸八不動産が不動産証券化に取り組んだ背景
  ● 管理・仲介部門を分社化し、浜松中心地の高級分譲へ特化(企業プロフィール)
  ● 不動産証券化で[企業・人・実務知識]を価値向上させる

 2.スキーム組成段階での苦労と経験
  ● ファンドのコンセプト/スキームの特徴/対象物件/専門家集団をいかに集めたか/
    事業収支、配当計画/最も大変だったこと、うまくいったこと・・・・実務担当者の目線として

 3.今後、不動産証券化をいかに事業に活かしていくか


講師: 
田中 敬太
丸八不動産梶@トラスト・ファンド室
たなか・けいた●1996年第一勧業銀行入社(現みずほ銀行)、2001年8月潟Cンテリックス入社(東証2部)、04年1月潟Vンプレクス・リアルティに入社しファンド組成・運用に携わる。06年1月地元静岡に戻り、丸八不動産鰍ノ入社し現在に至る。前職でファンド組成経験はあったものの、いざ取り組もうとすると知識が不十分であったことに気づき、組成のチャンスをねらっていた。丸八不動産へ移籍後、丸八ファンドの組成を発案し、自ら事業計画を策定し、地元の専門家を集結。アレンジャー寺嶋峻氏のアドバイスのもと国土交通省事業に参加し組成を果たした。


16:30〜17:00 【レンダーの取組み】
W.「丸八ファンド」物件購入にノンリコースローンを提供した
  地方金融機関のプロジェクト評価・判断

 1.ノンリコースローンへの取り組み

 2.本プロジェクトの資金提供の考え方
 3.ノンリコースローン提供の基本的な条件とは



講師: 
静岡銀行(東京・仙台会場)
浜松信用金庫(大阪・福岡会場)
本証券化に際して、対象物件のマンション「アートピア有玉南」の7戸を、丸八不動産が設立したSPC(合同会社)が取得するに際して、静岡銀行と、浜松信用金庫がそれぞれ3,000万円のノンリコースローンを引き受けた。両社にとってノンリコースローンの実施は貴重な経験となった。


■丸八不動産梶u丸八ファンド」―ファンド組成総額9,351万円・予定配当利回り6.21%
国土交通省「地方における不動産証券化市場活性化事業」に参加して組成された第1号が丸八不動産梶u丸八ファンド」(2007年9月スキーム完了)。ファンドに組み込んだ不動産は、同社が1991年4月に開発・分譲した賃貸マンション52戸のうち7戸。同社が設立したSPCが8,740万円で取得した。ファンドが物件取得に際しての資金調達に、静岡銀行と浜松信用金庫がそれぞれ3,000万円のノンリコースローンを付けた。そのほかのエクイティ調達に、オリジネーターが自己募集し、投資家7名が出資。予定配当利回りは6.21%。物件は3年後の売却まで、丸八不動産が物件の管理・運営を行っていく。  
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