横浜幸銀信用組合

[金融]

レジャーホテル事業者とは1つの“TEAM”
一丸となって新型コロナの苦境を乗り越える

「新春のご挨拶」
専務理事 齋藤 智成

全国16県下に29店舗を展開する横浜幸銀信用組合は、レジャーホテル業界に対して積極的な融資を行ない、常に業界をサポートしてきた。新型コロナウイルス禍においても柔軟な対応で、苦境のホテルオーナーを支えている。
2020年2月には横浜市中区に本店ビルを新築・移転し、盤石な体制を整えている。
 

企業名

横浜幸銀信用組合

TEL

045-285-7890(営業本部)

所在地

神奈川県横浜市中区尾上町5-77-1

URL

https://www.yokohamakougin.co.jp/


営業本部 副部長 山村博史氏

「緊急対応ローン」「元金返済据置き」など
コロナ禍での事業者の負担軽減に注力
 
――今回の新型コロナウイルス禍では、レジャーホテル業界全体で前年比の売上げが92%程度にとどまっており、他の宿泊施設と比べて影響は小さいといわれています。融資する側として、業界の状況をどのように捉えていますか。
 
山村 前年比92%という数字は、私自身も実感しています。ただ、エリアなどによって少なからず格差があるようです。地方の郊外型レジャーホテルは比較的堅調で、なかには前年比100%にまで戻っているケースもありますが、都市部の繁華街立地のホテルはなかなか売上げが戻らずに苦しんでいます。また、もともとコロナ前から売上げが悪かったホテルは、地方の郊外型であっても苦戦しています。
 
佐藤 9月からGoToキャンペーンがスタートした影響で、それまで堅調だった売上げが低下してしまったホテルもみかけます。レジャーホテルは例年、10月と11月は季節的な要因で売上げが落ち、年末に入って上昇しますが、今年はそのタイミングで第3波が騒がれ始めました。当組合のお客さまであるレジャーホテルのオーナーさまたちも、第3波がホテル経営にどこまで影響するのか、かなり不安を募らせています。
 
――貴組合は3月の段階でいち早く「緊急対応ローン」の取扱いを開始するなど、経営に打撃を受けたレジャーホテル事業者をサポートする姿勢を打ち出しました。
 
山村 コロナ以降、融資の相談窓口を各店舗に設置し、お客さまからのご相談に対してはこれまで以上に柔軟に対応しています。当初、「緊急対応ローン」として打ち出してきましたが、お客さまによっては従来のローンとあわせて二重の返済を抱えるケースも出てきます。ですから元金返済を据置くことで、お客さまの負担軽減を図っています。
 
佐藤 お客さまの手元に少しでもキャッシュが残れば、今後の設備投資やリニューアルの計画なども立てやすくなります。レジャーホテル経営においてリニューアルコストは必要不可欠な投資であり、それはコロナ禍であっても変わりません。当組合でも、コロナに関係なく、ご相談いただければ前向きに検討させていただきます。
 
山村 繁盛ホテルの場合、コロナ禍で客足が落ちたタイミングだからこそ、ルームを閉鎖して思い切ったリニューアル計画を立てられるケースもあります。この状況をネガティブに捉えるのではなく、「コロナ禍だからできることもある」とポジティブに対応することも大切だと思います。
 
――いままでほかの金融機関を利用していた事業者の、借換え、一本化需要もふえているのではないですか。
 
山村 そうですね。当組合では、借換えや一本化のご相談に対しても柔軟に対応させていただいています。もちろん事業内容を精査したうえでですが、積極的にサポートいたします。 
 

事業に対するオーナーの気持ちを重視
長期的な視点に立って融資を判断
 
――融資を決めるうえでの判断基準は。
 
山村 当然ながら、ホテルの財務状況をきちんと拝見して、回収までの道のりを見据えたうえで融資を判断します。短期での売上げアップを求めるのではなく、長期的視点に立って、いいお付き合いができるかどうかを考えます。
 
 とくに重要視しているのは、事業に対するオーナーさまの気持ち、真剣さです。融資させていただくからには、長期的に安定した経営を継続していただきたい。そのために、オーナーさまがどのような運営体制を構築し、どんな集客施策を打ち出しているのか。そうした細かいところまでみて、判断させていただきます。
 
佐藤 新規参入の事業者にありがちなのが、レジャーホテル事業の利回りのよさだけに着目して、投資目的だけで事業を手がけるケースです。ホテル経営の具体的なビジョンをもたず、利益だけを求めるホテル経営は、たいていうまくいきません。そうしたことを、審査時にはっきりと申し上げることもあります。
 
山村 これは私個人の経験則ですが、会社としての事業理念や目標、行動規範などをしっかりと確立している事業者は、ホテル経営もうまくいっているケースが多いです。理念や目標、行動規範は、オーナーさまのビジョンや気持ちが具体化されたものですからね。事務所を訪問した際に、応接室などに社訓が掲げられている会社は、融資させていただく私どもにとっても、いいお客さまである確率が高いです。
 
――なぜそこまで、融資先の気持ちにこだわるのですか。
 
山村 融資させていただく当組合とお客さまは、常に1つのTEAM=チームだと考えているからです。
ここでいうTEAMとは、「 Together=いっしょに」「Everyone=みんなで」「Achieve=成し遂げると」「Miracle=奇跡がおきる」という意味です。
 
 レジャーホテルづくりというのは、オーナーさま単体では成し遂げることができません。設計・デザイン会社、施工会社、備品納入会社、税理士さんなど、多種多様な業種の方々がTEAMになってあたらなければ成功はしません。そして、そのTEAMの一員として当組合も参画させていただくということです。
 
佐藤 とくに、昨今のようなコロナ禍の危機的状況においては、TEAMで力をあわせて難局を乗り切ることが求められます。当組合でも、一度TEAMの一員となったら、精一杯支援させていただきます。
 
山村 当組合のモットーの1つに「Face To Face」があります。コロナ禍ではなかなか難しいですが、とくに新規のお客さまの場合はできるだけ直接お会いして、顔を合わせてお話しさせていただければと考えています。
 
 さまざまな宿泊業、レジャー産業がコロナ禍で苦しんでいるなか、レジャーホテル業界のように売上げが回復している業界はほとんどなく、レジャーホテル業界の真価が発揮されたのだと感じています。
 
佐藤 ただ、そんななかでも苦しんでいるホテルオーナーさまはたくさんいらっしゃいます。既存のお客さまを優先しつつ、新規のお客さまにも積極的に対応させていただきます。苦しんでいるオーナーさまは、ぜひ1度ご相談ください。
 
――本日はありがとうございました。

営業本部 係長 佐藤貴之氏