密を避けながら
「非日常」を楽しむニーズに対応
 
　コロナ禍により人々のライフスタイルが変わりゆくなか、レジャーを楽しむ際のマインドも大きく変化している。
　この変化に対応した〝求められるレジャー施設像〞として、㈱デジサーフが提案する事業モデルが「URBANCAMP HOTEL（アーバンキャンプホテル）」である。
　若者の旅行離れが進むなかで家族や恋人、親しい仲間など、限られたなかで人と人とが交流し非日常の空間・時間を楽しみたいというニーズは高まりをみせている。その受け皿として、「屋外をベースに多彩なコンテンツを体験できる複合型施設を都市近郊に創造する」と、同社代表取締役社長高橋佳伸氏は語る。
　キャンプ感覚のホテル（付加価値の高いバーベキューと快適な宿泊体験）、アウトドアならではの食体験、インスタ映えする海外リゾート風の非日常的な空間デザイン、そこにグランピング系ウエディングを含む多彩なイベントを組み込む。事業の肝はトレーラーハウスの活用だ。
　昨年7月にオープンした大阪・泉南りんくう公園の「URBANCAMP HOTEL Marble Beach（アーバンキャンプホテルマーブルビーチ）」では、トレーラーハウスを活用し、20棟で構成する独立型ヴィラ形式で運営中である。
　「コロナ禍で、ホテルやブライダル業界は大きな打撃を受けていますが、マーブルビーチの稼動率は開業から11月まで95％以上。12月から新たにウエディングを商品化しました。私たちの考えるグランピングは『テントではない、ホテルのような快適性をもったキャンプ』です。一体感のある宿泊スペースとアウトドアリビング＋ダイニングがあることが重要」と高橋氏は語る。
　マーブルビーチにおける開発・運営ノウハウを活かし、これから積極的に展開していくのが、幅3・4ｍのトレーラーハウス2台を組み合わせて1棟とする新たな「キャンプホテルトレーラー」を用いた事業モデルである。2台を連結して1棟とし、浄化槽を間に配して2棟をレイアウトしたモデルである［別図］。
一般的なトレーラーハウスは幅2・5ｍ。キャンプホテルトレーラーは幅3・4ｍで特殊車両扱い（道路走行には3か月前に申請が必要）となるが、シングルベッド2つを並べることが可能となり、2台のキャンプホテルトレーラー間の壁を抜くことでゆったりとした空
間（リビングやキッチン、シャワー、トイレなど）が確保できる。
「マーブルビーチでは、アウトドアリビングの部分にビニールカーテンを使用していますが、強い風や雨天などには最適とはいえません。一方、天井を開放する機会はほとんどないことがわかりましたので、キャンプホテルトレーラーでは、天井はそのまま残し横方向を全開放できるガラス窓にしました。玄関内のらせん階段を昇れば屋上から眺望を楽しむことができます。昇り口を玄関内としたのは、不特定多数が出入りする公園での展開を考えたセキュリティ対策です。これにより、アウトドアリビングを屋上に設けるなど、規模や状況によりさまざまなレイアウトが可能です」（高橋氏）。
　キャンプホテルトレーラーはバーベキュー用品や家具付きで販売するとともに、レンタルにも対応するため、設置するだけでキャンプホテル事業が開始できる。現在も、キャンプホテルトレーラーを複数配したリゾート開発計画、既存ホテルや旅館の別棟としての展開などの計画が進行中である。